第113回調達価格等算定委員会での議論③再エネ地域活用要件について

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経済産業省は20日、第113回調達価格等算定委員会を開催し、2026年度以降の再生可能エネルギー支援制度について幅広い論点を整理しました。最後に、地域活用要件についての議論を整理します。

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議論の背景

FIT制度における地域活用要件は、再生可能エネルギーを単なる発電設備としてではなく、需要地に近接して柔軟に設置できる特性や、災害時のレジリエンス強化エネルギーの地産地消といった価値を活かしながら、地域社会との信頼関係を築きつつ導入を進めるための制度として位置付けられてきました。

第113回委員会では、こうした制度趣旨を踏まえつつ、2026年度以降の地域活用要件をどのように扱うべきかが議論されました。

事務局提案

事務局からは、昨年度の本委員会において、2025年度以降の地域活用要件について意見が取りまとめられていることを踏まえ、2025年度以降、事業用太陽光発電を含め2026年度以降についても、引き続きこれまでの地域活用要件を維持することが適当であるとの考え方が示されました。

【事業用太陽光発電(10〜50kW)に求められる地域活用要件】

2026年度以降も、事業用太陽光発電のうち10kW以上50kW未満の区分については、従来と同様に二つの要件を同時に満たすことが求められます。

第一に、再生可能エネルギー発電設備の設置場所において、発電電力量の少なくとも30%を自家消費することです。これは、需要地に近い分散型電源としての性格を明確にする狙いがあります。

ただし、農地一時転用許可期間が3年を超える営農型太陽光発電については、自家消費を行わない場合であっても、災害時活用を条件としてFIT制度の対象とする例外的な取り扱いが認められています。これは、農地という立地特性を踏まえつつ、非常時の電源としての価値を重視した整理です。

第二に、災害時に自立運転を行い、給電用コンセントを一般の利用に供することが求められています。ここでいう自立運転とは、停電時に外部電源がなくても発電を再開できる、いわゆるブラックスタートが可能であることを意味します。災害時に地域住民が直接電力を利用できる体制を確保することが、地域活用要件の重要な柱となっています。

【風力・地熱・中小水力・バイオマスへの地域活用要件】

太陽光発電以外の電源、すなわち風力発電、地熱発電、中小水力発電、バイオマス発電についても、FIT制度の適用対象となる規模においては、地域活用要件が設定されています。

これらの電源については、自家消費型、地域消費型、あるいは地域一体型といった形で、発電電力が地域内で活用されることが求められています。

【自家消費型・地域消費型の具体的な考え方】

参考資料として示された2025年度以降の整理では、自家消費型および地域消費型の地域活用要件として、いくつかの類型が示されています。

例えば、発電設備によって発電される電力量の少なくとも3割を自家消費すること、または再生可能エネルギー電気の特定卸供給を通じて、発電設備が所在する都道府県内へ供給される電力量が一定割合以上であることなどが要件として整理されています。

これらはいずれも、電力が地域外に一方的に流出するのではなく、地域内で循環することを重視した設計です。

【地域一体型としての地域活用要件】

さらに、地域一体型の地域活用要件としては、発電設備が所在する地方公共団体が名義人となる、あるいは第三者との共同名義を含めて設備の取得決定に関与していることや、災害時に当該自治体の公共施設等へ優先的に電力を供給する体制が整備されていることなどが要件として整理されています。

加えて、地方公共団体が自ら事業を実施、または直接出資する形態も地域一体型として位置付けられています。

【2027年度以降の太陽光発電を巡る論点】

一方で、事業用太陽光発電のうち10〜50kWの区分については、2027年度以降、地上設置型太陽光発電をFIT・FIP制度の支援対象から外す方向性が示されています。

このため、2027年度以降の太陽光発電における地域活用要件については、屋根設置型など、より地域との共生が図られた形での太陽光発電への支援のあり方とあわせて、来年度以降の本委員会で改めて検討することが提案されました。

【委員会における地域活用要件の評価】

委員からは、地域活用要件が再生可能エネルギーの導入拡大と国民負担の抑制を両立させるための重要な制度であるとの認識が共有されました。

また、災害が頻発する中で、地域活用要件がエネルギーのレジリエンス強化という観点からも重要性を増していることが指摘されました。

特定の電源を一律に扱うのではなく、地域への貢献度を制度上評価する考え方自体は、今後も維持すべきとの方向性が示されています。

【結論】

2026年度以降の地域活用要件については、2025年度以降の整理を基本的に踏襲し、特段の事情が生じない限り同様の要件を維持することが妥当であるとの結論に至りました。

ただし、2027年度以降の太陽光発電、とりわけ地上設置型を巡る支援制度の見直しと整合的に、地域活用要件の具体的な内容については、来年度以降の委員会で改めて検討する余地があることも確認されました。