三菱商事、米シェールガス大手エーソンを1.2兆円で買収(続報)

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三菱商事は1月16日、米国のシェールガス開発・生産大手であるエーソン・エナジー・マネジメント(Aethon Energy Management)傘下の事業会社を買収し、子会社化すると発表しました。

負債の引き受けを含めた買収総額は約75億3,000万米ドル(約1兆2,000億円)にのぼり、同社にとって過去最大の買収案件となります。

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米南部での上流権益を確保

買収の対象となるのは、テキサス州とルイジアナ州にまたがる「ヘインズビル・シェール層」で大規模な権益を持つエーソン社の主要事業です。同エリアは、日本への輸出拠点となる米国南部ガルフコーストのLNG(液化天然ガス)出荷ターミナルに隣接しており、物流面で極めて高い優位性を備えています。

今回の買収により、三菱商事は年間でLNG換算約1,500万トンに相当する膨大な天然ガスの生産能力を直接保有することになります。

「一気通貫」のバリューチェーン構築へ

三菱商事の中西勝也社長は会見で、「米国の天然ガス上流資産を自ら保有することは、日本のエネルギー安全保障にとって極めて重要な意義を持つ」と強調しました。

同社はこれまで、LNGの液化事業や輸送、販売といった「中流から下流」の事業に強みを持っていましたが、今回の買収によりガスを掘り出す「上流」工程を自社グループに取り込みます。これにより、生産から輸出、そして日本を含むアジア市場への供給までを自社で完結させる「一気通貫」のバリューチェーンが完成することになります。

昨今のAI普及に伴うデータセンターの電力需要急増や、脱炭素に向けた「移行期の燃料」としての天然ガス需要の高まりを背景に、安定した供給源を確保する狙いがあります。