矢野経済研究所、国内太陽光リパワリング市場に関する調査結果を発表

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矢野経済研究所は、2026年5月7日、国内の太陽光発電設備のリパワリング市場に関する調査結果を発表しました。本調査によると、2012年度に開始された固定価格買取(FIT)制度によって大量導入された太陽光発電設備が、パワーコンディショナ(PCS)などの主要機器の更新期を迎えており、既設設備の性能維持や改善を目的とした「リパワリング」への関心が急速に高まっています。

2025年度の国内太陽光発電設備におけるリパワリング起因の増加発電量は、145百万kWhに達する見込みです。市場拡大の背景には、PCSの一般的な耐用年数が10年から15年程度であることから、故障による売電機会の損失を防ぐための予防的な交換需要が顕在化していることが挙げられます。

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PCS交換需要の拡大と長期安定稼働への取り組み

FIT制度導入から10年以上が経過した現在、稼働開始から10年前後を目安としたPCSの予防的交換が進んでいます。PCSは太陽電池モジュールが発電した直流電力を交流に変換するだけでなく、系統連系に必要な保護機能も担う重要な機器ですが、故障時の復旧に数カ月を要するケースもあり、事業者の収益性に大きな影響を及ぼすリスクとなっています。

政府の政策面においても、既設設備の集約と長期安定運用を促進する「長期安定適格太陽光発電事業者」制度が2025年4月から開始されました。この制度は、適切な再投資やリパワリングを促す枠組みとして機能しており、新設案件の積み上げのみならず、既設設備の発電量を維持・向上させることが主力電源化に向けた重要課題であると同社は指摘しています。

2040年度までの市場展望と235GWhへの到達予測

リパワリングによる増加発電量は、2033年度には253百万kWhまで拡大する見通しです。2012年から2016年度に導入された約2,900万kW(約46万件)の事業用太陽光発電設備が、2032年から2036年度にかけてFIT・FIP制度の調達期間終了を迎えるため、これに伴う設備の集約や再投資が市場を牽引する主要因となります。

2030年代後半からは、稼働開始から25年以上が経過した設備において太陽電池モジュールの交換需要も本格化する見込みです。こうしたリパワリング手法の多様化により、2040年度までの累計増加発電量は235GWhに到達する可能性があるとしています。

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