EU大手企業、循環経済法の強化求め共同提言 資源安全保障と産業競争力強化へ
EU大手企業、循環経済法の強化求め共同提言 資源安全保障と産業競争力強化へ
Ellen MacArthur Foundationは、2026年5月、H&M、IKEAなどを含む大手企業・団体が、EUに対して野心的な「Circular Economy Act(循環経済法)」の策定を求める共同書簡を提出したと発表しました。

共同書簡では、EU域内で循環型製品や再生材が円滑に流通する「真の単一市場」の構築を求めています。現在のEUでは、加盟国ごとに廃棄物規制、拡大生産者責任(EPR)、再生材認証などが異なっており、企業にとって大きな制度コストとなっています。
また、リサイクル材やリファービッシュ製品の需要拡大を進めるため、VAT(付加価値税)改革、公共調達基準見直し、二次原料市場整備なども提言しています。欧州企業側は、循環経済を単なる環境政策ではなく、産業競争力や資源安全保障政策として位置づける必要があるとしています。
欧州で進む「循環経済の産業政策化」
EUでは近年、中国依存リスクや地政学的緊張を背景に、重要鉱物や資源循環を経済安全保障政策の一部として扱う動きが強まっています。
特にEV電池、半導体、再エネ設備などでは、リチウム、コバルト、レアアースなどの確保が重要課題となっており、再利用やリサイクル市場整備が急務となっています。
今回の提言では、企業が長期投資を進めやすくするため、EU全体で制度を統一し、再生材市場の予見可能性を高める必要性が強調されました。
さらに、修理・再利用・再製造を促進するため、製品設計段階から循環性を組み込む「エコデザイン」の重要性も示されています。
日本企業にもサプライチェーン対応圧力
今回のEUの動きは、日本企業にも影響を与える可能性があります。
特に、自動車、電池、電子機器、繊維など、EU市場向け輸出比率が高い企業では、再生材利用率、トレーサビリティ、製品回収などへの対応が求められる可能性があります。
また、今後EUが循環型製品の優遇制度や公共調達条件を強化した場合、日本企業も製品設計やサプライチェーン管理の見直しを迫られる可能性があります。
一方で、日本企業にとっては、高品質リサイクル材、資源循環管理、GX・DX技術などを活用した新市場拡大の機会となる可能性もあります。
出典:
Ellen MacArthur Foundation
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