東京ガスとパワーロール、低コストな次世代ペロブスカイト太陽電池の国内共同実証を開始
東京ガスとパワーロール、低コストな次世代ペロブスカイト太陽電池の国内共同実証を開始
東京ガス株式会社は、2026年3月25日、英国のパワーロール・リミテッド(Power Roll Ltd)と共同開発契約を締結し、次世代太陽電池として期待される「ペロブスカイト太陽電池」の日本国内における共同実証を発表しました。

独自のマイクログルーブ技術による製造コストの低減
今回の共同実証で活用されるのは、パワーロール社が保有する独自の「マイクログルーブ(微細な溝)」技術を用いたペロブスカイト太陽電池です。従来の太陽電池は複雑な積層構造や高価な材料を必要とすることが課題でしたが、同社の技術は基板上に微細な溝を形成し、そこに発電層を充填するシンプルな構造を採用しています。
このプロセスにより、高価な透明導電膜であるFTO(フッ素ドープ酸化スズ)やITO(インジウムスズ酸化物)の使用を削減、あるいは不要にすることが可能となります。また、製造工程にはロール・ツー・ロール方式を適用できるため、大幅な製造コストの低減と大量生産の両立が図れる見通しです。
耐荷重の小さい屋根や壁面への設置拡大
ペロブスカイト太陽電池の最大の特徴は、薄型かつ軽量で、柔軟性に富んでいる点にあります。従来のシリコン型太陽電池は重量があるため、古い建物の屋根や耐荷重の小さい工場、倉庫などへの設置が困難なケースが多く見られました。
本実証を通じて、これまで設置を断念していた場所や、曲面を含む建物の壁面といった未活用スペースへの導入可能性を検証します。東京ガスが展開する「ヒナタオソーラー」などの太陽光PPA(電力販売契約)サービスにおいて、独自の接着工法と組み合わせることで、都市部における再生可能エネルギーの導入加速を目指すとしています。
国内サプライチェーンの構築と社会実装
両社は日本国内における実証試験を通じて、屋外環境下での耐久性や発電効率の評価、ならびに日本の気候に適した施工手法の確立を進めます。さらに、将来的な普及拡大を見据え、国内における太陽電池のサプライチェーン構築に向けた協業も検討していく構えです。
今回の取り組みは、エネルギーの脱炭素化を推進する一環であり、次世代技術の早期サービス化・事業化によって、持続可能な社会の実現に貢献する狙いがあります。技術的な可能性を見極めた上で、多様化する顧客の環境ニーズに応えるための新たな商材として展開を推進していく計画です。
