資源エネルギー庁、容量市場の指標価格を倍増する見直し案や新たな約定方式を示す

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資源エネルギー庁は、2026年3月4日、将来の電力供給力を確保する容量市場において、指標価格(Net CONE)の大幅な引き上げや約定方式の変更、ならびに目標調達量の増加に関する新たな制度見直し案を示しました。

これまでの容量市場オークションでは、近年の物価高騰や老朽化した発電所の維持・管理費用の増加を背景に、現行の指標価格を超過する高値での応札が急増していました。また、上限価格の超過により多くの電源が不落札となる事態が相次いでおり、一部のエリアでは供給信頼度の基準を満たせないなど、安定供給の観点で制度上の課題が顕在化していました。

供給力確保へ向けた指標価格の引き上げと約定方式の変更

これらの課題に対処するため、同庁は指標価格の算定根拠を最新の「発電コスト検証ワーキンググループ(2025年2月公表値)」のデータに更新する方針を決定しました。これにより、モデルプラント(CCGT)に基づく指標価格は従来の約1.01万円/kWから2.05万円/kWへと引き上げられ、連動して上限価格も約1.5万円/kWから3.075万円/kWへと大幅に上昇する試算となっています。

一方で、上限価格の引き上げは小売電気事業者が負担する「容量拠出金」の急激な増加を招き、最終的な需要家の電気料金負担へ直結する懸念があります。そのため、同庁は価格上昇の影響を緩和する措置として、従来の完全シングルプライス方式を見直すとしています。具体的には、指標価格以上の領域に対してマルチプライス方式を適用する案や、2段階目のシングルプライス領域を設定する案などが比較検討されています。

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目標調達量の算定諸元を実態に合わせて更新

さらに、供給信頼度評価をより実態に即したものにするため、目標調達量に関連する諸元の見直しも実施されました。近年の猛暑や寒冬といった厳気象への対応として月ごとの評価を前半と後半に細分化したほか、補修計画の実態を反映し、年間計画停止可能量を従来の1.9ヶ月から2.4ヶ月へと拡大しました。

こうした算定諸元の変更により、2026年度に実施されるメインオークション(対象実需給:2030年度)の目標調達量は、2025年度基準と比較して約584万kW増加し、全国で1億9,581万kWとなる見込みです。2026年度実施のオークションからこれらの新ルールが順次適用される予定です。

出典:経済産業省 第112回制度検討作業部会資