【予備電源制度】現状と今後の募集方針について(第1回 次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 電力安定供給ワーキンググループ(2026年5月13日))

· 取引,電力

経済産業省・資源エネルギー庁は2026年5月13日に電力安定供給ワーキンググループ(WG)を立ち上げ第一回会合を開きました。これは、総合資源エネルギー調査会次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会の下に設置され、座長は大橋弘・東京大学大学院教授です。

このWGに上程された資料に沿って、予備電源市場の今後について詳しく解説します。

予備電源制度の現状と今後の募集方針について

予備電源制度の創設背景と目的

予備電源制度は、電力自由化の進展や再生可能エネルギーの導入拡大によって電源投資の予見性が低下し、高経年火力の休廃止が急速に進む中、将来の供給力不足を防ぐためのセーフティネットとして創設されました。

容量市場では想定されていない大規模災害による電源の脱落や想定外の需要急増などが発生した際に、休止中の電源を稼働させて供給力を補うことを目的としています。

対象となるのは、容量市場において安定電源に区分される10万キロワット以上の火力電源であり、メインオークションで2年連続で不落札または未応札となった電源や、経済的な理由による差し替え元電源とされています。

これらの電源に対して、休止措置および休止状態の維持に係るコストである修繕費、固定資産税、人件費、維持に必要な燃料関係費用などを支払い、一定期間内に立ち上げ可能な状態で維持させます。

第2回募集の振り返りと監視結果

本制度はすでに運用が始まっており、2025年8月から9月を応札受付期間として第2回募集が実施されました

その結果は2026年3月に電力広域的運営推進機関のホームページで公表され、初めての落札電源が誕生しました。

この第2回募集の応札結果については、電力・ガス取引監視等委員会において応札価格の厳格な監視が実施されました。

その結果、落札候補となった案件は適切に応札されていたことが確認された一方で、細かな論点も見つかり、予備電源制度ガイドラインの改定に関する建議が行われました。

具体的には、経年改修費や発電側課金の取り扱いなど、価格規律をより明確化するための制度改善が求められています。

第3回募集に向けた基本方針とスケジュール

足元の供給力確保の状況や第2回募集の結果を踏まえ、第3回以降の募集に向けた制度方針が示されました。

現在の電力システムでは、供給力確保の在り方について2027年度に向けた容量市場の包括的な見直しと一体的な議論が進められています。

この状況を考慮し、2026年度においては容量市場の運用を大きく変えないことから、予備電源の第3回募集についても制度の大枠は変えずに実施することが提案されました。

第3回募集では、2027年度および2028年度を実需給とする予備電源を募集します

過去の募集において審査や監視、公表に半年程度の期間を要した実績を踏まえ、第3回募集は2026年度の夏頃に募集手続きを開始し、同年度の冬頃に落札を決定するというスケジュールが示されています。

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第3回以降の募集において検討を深めるべき論点と制度改

今後の募集にあたっては、大きく二つの分類で論点の検討を深める方針が提示されました。

一つ目は第3回募集への反映を基本として進める論点です。

ここには、募集要件に関する目安価格の設定、監視委員会からの建議を踏まえた価格規律の明確化、参加要件、評価方法などが含まれます。特に調達方式については、これまで長期立ち上げ電源と短期立ち上げ電源で別々に募集枠を設けていましたが、応札がない区分や募集量超過で不落となる区分が発生する非効率を防ぐため、両者を一つの募集区分として競争させ、落札電源を決定する方向への見直しが提案されています。

二つ目は第4回募集以降に向けて継続的に議論を進める論点です。予備電源制度は休止電源を維持する枠組みであり、実際に稼働するためには立ち上げプロセスを経る必要があります。

これまでは暫定的な緊急措置であるキロワット公募への応札を想定していましたが、今後は新たに創設が検討されている短期供給力確保策への応札を想定する方向で議論が進められています。

このように、容量市場や新たな追加供給力確保策といった他の制度との役割分担や関係整理を行いながら、電力システム全体で整合性の取れた中長期的な供給力確保の枠組みを構築していくことが重要とされています。。

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