米エネルギー省、小型原子炉実証施設「DOME」稼働を発表 開発加速へ

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米国エネルギー省(DOE)は、2026年4月8日、アイダホ国立研究所に設置したマイクロリアクター実証施設「DOME(Demonstration of Microreactor Experiments)」の利用開始を発表しました。小型原子炉の開発・試験・実証を民間主体で迅速に進めるための基盤として位置付けられています。

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マイクロリアクターは、概ね20メガワット規模の熱出力を持つコンパクトな原子炉であり、遠隔地電源やデータセンター、軍事用途など多様な分野での活用が期待されています。従来の大型原子炉に比べて設計・建設期間の短縮が見込まれる点も特徴です。

実証インフラの整備で民間参入を促進

DOMEは、実機レベルでの試験環境を提供することで、設計から実証までのリードタイム短縮を狙った施設です。これにより、企業は自社技術の検証を現実の運用条件に近い形で行うことが可能となります。DOEは、これまでにないスピードでの開発を実現するためのインフラ整備であるとしています。

同施設は、単なる研究用途にとどまらず、商用化を見据えた実証段階の支援を目的としており、民間投資の呼び込みも重要な狙いとされています。

規制改革と一体で進む開発環境整備

マイクロリアクターの開発促進に向けては、原子力規制委員会(NRC)による制度面の対応も進められています。小型炉に適した柔軟なライセンス制度の検討や、審査プロセスの効率化により、従来よりも迅速な認可取得が可能となる環境整備が進行中です。

DOEによる実証インフラの提供と、NRCによる規制合理化が組み合わさることで、技術開発と制度整備が同時に進む構図が形成されています。これにより、マイクロリアクターは研究段階から商用段階への移行を加速する可能性があります。

エネルギー供給の新たな選択肢としての位置付け

再生可能エネルギーの導入拡大が進む中で、安定的な電力供給を担う新たな選択肢として、小型原子炉への関心が高まっています。特にデータセンターや産業用途では、24時間安定供給が求められるため、分散型電源としての役割が注目されています。

今回の施策は、単なる技術開発支援にとどまらず、エネルギー安全保障や電力供給の多様化に向けた政策の一環として位置付けられます。今後は、実証プロジェクトの進展とともに、民間企業の参入状況や商用化の動向が焦点となります。