新Scope2ガイダンスに適合するCO₂排出削減戦略とは:【需要家排出係数】を用いて、排出量と電気料金を同時に引き下げる
新Scope2ガイダンスに適合するCO₂排出削減戦略とは:【需要家排出係数】を用いて、排出量と電気料金を同時に引き下げる
正解
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GHG ProtocolのScope2改訂(ロケーション基準)では、時間帯係数の導入により、「電力消費を排出係数の低い(昼間)の時間帯へシフトする」ことにインセンティブが付与されるようになります。
太陽光発電が潤沢な昼間は系統全体の排出係数が低下しやすく、企業が電力需要を昼にシフトする行動変容が、排出削減に直結する重要な鍵となります。

そのためには、企業が電力消費をした場合の、その時間帯の送電網の排出係数の加重平均である、需要家固有の需要家排出係数を定量的に管理して、蓄電池の導入や稼働時間の変更などによって戦略的に引き下げるPDCAを廻すことが勝ち筋となります。
需要家排出係数の引き下げは、いくつかの副次効果が期待されます。
メリット①:アワリーマッチング証書購入費用の低減
目標とするアワリーマッチング率の達成に向け、時間帯の刻印が付いた証書を購入する場合でも、夜間の送電網排出係数が高い時は、証書の希少性が高まるため単価が高騰し、反対に、昼間の排出係数が低い再エネが潤沢にある時は、低価格となるため、できるだけ安い時間帯での証書を中心に確保すればコストダウンにつながりなります。
メリット②:時間帯別電気料金の下での電気料金単価の低減
排出係数が高い時間帯は電力価格も高い傾向があり、排出係数の低い昼間へ需要を移せば、時間帯別料金の下で電気料金を大幅に削減できる可能性があります。(ただし例外もあります)
既に多くの小売電気事業者は、昼間に安い時間帯別電気料金や、市場連動型電気料金を提供しています。
事例:欧州製造業での消費の昼タイムシフト策
コーネル大学の研究で紹介されている欧州製造業のケースでは、時間別価格と時間別排出係数を同時に用い、V2X(電動産業車両のVehicle-to-X)、パワー・トゥ・ヒート(複数温度帯)、太陽光・風力、電力・熱・水素の蓄エネルギーを統合したマルチエネルギーシステムを用いた例が示されています。
これにより、需要を昼間へ戦略的にシフトし、需要化排出係数の低減、運用排出の削減、コスト低減を同時に実現しています。
柔軟性の組み合わせが相互補完的に機能することで、ネットゼロ運用に近づけることが示されています。
まとめ
このように、需要家排出係数の低減とアワリーマッチング率の向上の2つのKPIを基に、電気料金の削減と、CO2排出量の削減を定量的に引き下げる手法が有効です。
まずは、各事業所での需要家排出係数と、アワリーマッチング率の現状を把握し、課題を抽出します。その結果、事業所ごとの特徴や、改善ののりしろを浮き上がらせることができます。
そして、その改善に向け、事業活動の昼シフトや、従業員を巻き込んで楽しくタイムシフトを実現する行動変容策の導入など、事業計画・投資計画を組み立てて、PDCAを廻していくことが望ましいと言えるでしょう。
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