【解説】世界で蓄電池コスト急低下、太陽光タイムシフトの経済性が転換点に~Ember分析、日本はなおコスト低減余地
【解説】世界で蓄電池コスト急低下、太陽光タイムシフトの経済性が転換点に~Ember分析、日本はなおコスト低減余地
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エネルギー系シンクタンクの Ember は2025年12月、蓄電池コストの急低下を示すレポート「How cheap is battery storage?」を公表しました。

分析によると、大型系統用蓄電池の均等化貯蔵コスト(LCOS)は、世界市場(中国・米国除く)で 65ドル/MWh(約9,750円/MWh) に達しています。
同レポートでは、蓄電池システムの導入コストが 125ドル/kWh(約18,750円/kWh) 程度まで低下したとされています。内訳は電池本体が 75ドル/kWh(約11,250円/kWh)、設置・系統接続が 50ドル/kWh(約7,500円/kWh) です。この水準までコストが下がったことで、太陽光発電の昼間電力を蓄電し夜間に移す「タイムシフト」の経済性が大きく高まりました。
さらに複数の業界報告では、世界のリチウムイオン電池価格は継続的に低下しており、2025年時点でも自動車向けを含む平均価格は 151ドル/kWh(約22,650円/kWh) とされています。材料調達の改善、生産規模の拡大、リチウム鉄リン酸塩(LFP)電池の普及が主因とみられます。
一方、日本でも蓄電池コストは低下傾向にありますが、補助事業を活用した場合でも電池部分で 約5.6万円/kWh、工事費込みで 約11万円/kWh 程度とされ、国際水準と比べると依然として高い水準にあります。工事費や人件費の影響も大きく、日本にはなお大きなコスト低減余地が残されているのが実情です。
こうした中、太陽光と蓄電池を組み合わせ、再エネアワリーマッチング™手法の下で環境価値を時間軸で移転する「ΔCO2効果」を活用すれば、調整力市場の価格低下が進む日本でも、蓄電池の価値を多面的に高められる可能性があります。世界的なコスト低下は、日本の蓄電池評価を再定義する契機となりそうです。
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