【速報】ウクライナ戦争と電力システム:太陽光発電と蓄電池の役割
【速報】ウクライナ戦争と電力システム:太陽光発電と蓄電池の役割
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ウクライナでは戦争という極限状況の中で、太陽光、風力、蓄電池といった柔軟でクリーンな電源への移行が、平時では考えにくい速度で進められています。
ロシアは2022年以降、冬季の需要ピークを狙って電力・ガスインフラへの攻撃を繰り返してきました。2025年10月には、攻撃によってガス生産能力の約60%が停止し、各地で停電が発生しました。しかし、こうした圧力は結果的に、ウクライナのエネルギー・レジリエンス強化を加速させています。
その第一が分散型電源の拡大です。太陽光や風力は発電地点が分散するため、大規模な火力発電所に比べて攻撃に弱い単一障害点を持ちません。ウクライナでは、戦時下にもかかわらず2024年初頭までに約1.5GWの需要家設置型太陽光が導入されました。さらに国家エネルギー・気候計画(NECP)では、再生可能エネルギーの最終エネルギー消費に占める比率を、2020年の11%から2030年には27%へ引き上げる目標が掲げられています。
第二が蓄電池と送電網への投資です。DTEKとFluenceが建設した200MWの蓄電池は国内最大規模であり、需給調整や停電時の即時バックアップを可能にしています。DTEKは国内電力の約40%を供給する事業者でもあり、今後10年間で70億ユーロを投じる送電網近代化計画も発表しています。
第三が国際連携です。欧州復興開発銀行(EBRD)は、緊急ガス購入のために5億ユーロの融資を実施し、将来的には再エネ投資に振り向けられる予定です。ギリシャを通じた米国産LNGの供給や、欧米企業との分散型電源・蓄電池開発も進んでいます。
こうしたウクライナの経験は、アジアにとっても重要な示唆を持ちます。
日本ではエネルギー供給の約90%を輸入に頼っています。台湾も同様でエネルギーの95%を輸入に依存し、フィリピンでは送電網事業者に中国資本が約40%関与しています。
サイバー攻撃や地政学的リスクへの脆弱性が無視できなくなる昨今、分散型再エネと蓄電池、迅速な制度改革は脱炭素だけでなく国家安全保障を支える基盤となる可能性を秘めていると言えるでしょう。
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