【再エネ活用データセンターに最大50%補助へ(続報)】2100億円GX支援に海外メディアも注目

· 電力脱炭素,データセンター

政府が再生可能エネルギーを活用するデータセンターなどに対し、設備投資費用の最大50%を補助する制度を検討していることが、国内外で相次いで報じられています。総額は約2100億円規模とされ、今後5年程度を想定した大型の財政支援策になる見込みです。

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また、Bloomberg系メディアや欧州のエネルギー専門メディアも、日本が「需要側から再エネ市場を育てる」政策に踏み込んだ点に注目しています。海外報道では、①脱炭素目標への実効性、②データセンター誘致をめぐる各国競争、③再エネ電源と立地政策の連動、という三つの観点から評価が分かれています。一方で、補助率が高水準であることから「日本が本気でグリーンDCを呼び込もうとしている」との受け止めも広がっています。

制度の概要として報じられているのは、再エネ電力の利用を条件に、データセンターや工場など電力多消費型施設の建設・設備投資を支援するというものです。AIやクラウドの拡大に伴い、電力インフラと脱炭素政策を同時に進める必要があるという課題意識が背景にあります。需要側支援を通じて、再エネ投資と地域経済の好循環を生み出す狙いがあるとみられます。

現時点では、経済産業省や資源エネルギー庁から、2100億円の内訳や補助要件を詳細に示した公式な公募要領や制度設計資料は公表されていません。

なお、補助金の条件として、Jクレジットなどのカーボンオフセットを用いた「実質再エネ電力」の利用を認める可能性があるとの一部報道があります。一方で、カーボンオフセットは発電と消費の時間帯や地域が一致しなくても成立するため、電力需要とデジタル需要を近接地域で結びつけるワット・ビット構想の趣旨に反するとの懸念も指摘されています。とりわけ、オフセットに依存すると系統混雑の解消や地域再エネ投資の誘発につながりにくく、データセンターを電源近接地に立地させる政策目的が弱まるとの声があります。制度設計では、実効性ある再エネ利用の質をどう担保するかが焦点となっています。

GX実行会議やデジタルインフラ関連の有識者会合では、データセンターの地方分散と再エネ活用を後押しする方針が繰り返し示されてきました。今回の報道は、それらの議論が具体的な予算措置として動き始めたことを示すものといえます。

海外ではすでに、再エネ電源とデータセンターを一体で誘致する政策が進んでおり、日本の動きは国際的な競争環境の中でも注目されています。今後は、再エネ利用の定義や時間帯・地域との整合性をどこまで求めるかが焦点となります。制度設計次第では、日本の電力市場や再エネ投資の方向性に大きな影響を与える可能性があり、海外からの視線も含めて、今後の正式発表が注目されます。