グリーンランドで米けん制 欧州7カ国が共同声明
グリーンランドで米けん制 欧州7カ国が共同声明
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トランプ米大統領がデンマーク自治領グリーンランドの領有に改めて意欲を示したことを受け、デンマーク、英国、フランス、ドイツなど欧州7カ国は1月6日、「グリーンランドとデンマークの問題は住民のみが判断する」とする共同声明を発表した。北極圏の安全保障をめぐり、北大西洋条約機構(NATO)の枠組みで連携する必要性を強調しつつ、同盟国である米国をけん制する内容である。

グリーンランドはデンマーク王国の自治領であり、外交・防衛はデンマークが担う一方、内政では高度な自治権を有する。人口は約5万6千人と少ないが、北極圏に位置する地理的重要性は極めて高い。米国は冷戦期から同地を戦略拠点と位置づけ、現在も北西部にあるトゥーレ空軍基地(現・ピツフィク宇宙軍基地)を通じて、ミサイル警戒や宇宙監視の要衝として利用している。
トランプ大統領が「自国防衛の観点から絶対に必要だ」と述べた背景には、北極圏をめぐる大国間競争の激化がある。気候変動により海氷が縮小し、北極海航路の実用化や、レアアース、ウランなど地下資源へのアクセスが現実味を帯びてきた。中国やロシアが北極圏での存在感を強める中、米国にとってグリーンランドは軍事・資源・地政学の三点で重要性を増している。
一方で、欧州側は主権と領土一体性の原則を前面に出し、住民の自己決定権を重視する姿勢を明確にした。声明は米国を「不可欠なパートナー」と位置づけつつも、同盟内での一方的な言動が緊張を高めかねないとの認識をにじませている。北極圏の安全保障はNATO全体の課題であり、今後は軍事的合理性と国際秩序、住民意思の調和が問われる局面に入ったと言える。
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