非化石証書とScope2改定【第3回】英国NESO報告書(2025年)を分析する

酒井直樹

· 非化石証書,電力脱炭素,非化石証書とScope2改定,質高再エネ,アワリーマッチング

はじめに

経済産業省所管の再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会(ネットワーク小委)で「再エネ価値の時間帯や、場所的な価値 の顕在化のあり方については、2030年以降の中長期的な課題として当小委員会で早期に検討」する方向性が示されました。

これは、GHGプロトコルScope2改定やAMIをめぐる議論の方向性とも合致します。

そこで、前回に引き続き、英国での実証事業に関する最新のレポートから読み込みます。

英国NESO(National Energy System Operator)報告書から読み解く

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Implications of Trading of 24/7 Carbon Free Energy (CFE) on Electricity System Operation

研究の目的

この英国のエネルギーシステム運用機関であるNESO(National Energy System Operator)が行った研究(2025年発表)は、24/7カーボンフリーエネルギー属性証書(24/7 CFE EACs)の導入が、英国電力システムにどのような影響をもたらすかを分析するために行われたものです。

研究の背景

現在、多くの国や地域の電力市場では、エネルギー属性証書(EACs)や再生可能エネルギー保証(REGOs)と呼ばれる仕組みが、炭素排出量の報告や再エネ調達の主張を裏付けるために使われています(日本では非化石証書やJクレジットが該当します)。

しかし、従来のEACは年間単位でのマッチング(年間消費量と年間供給量を合わせる方式)であり、実際の電力の供給・消費の時間的な現実とは一致していません。

このため、電力のリアルタイム性や消費時間帯の再エネ供給実態を正確に反映することが難しいという批判がありました。そこで、1時間毎(またはそれより細かい単位)で供給と消費を一致させる、いわゆる「24/7(時間ベース)」のマッチング(再エネアワリーマッチング)への移行が検討されています。

このコンセプトは、国連24/7C等に提案され、現在GHGプロトコルScope2改定(2025年11月にパブリックコンサルテーション)で議論されているのが、「24/7(時間毎、またはそれ以下の時間細分)」という形での詳細な再エネアワリーマッチングです。

この「24/7 CFE EACs」は、時間ごとの供給実績に基づいて発行される証書で、消費者は自らの消費時間帯における再エネ供給の割合をより正確に把握できるようになります。

こうした仕組みは、再エネ供給が不足する時間帯における需要側リスポンス(DSR)蓄電池の活用など、電力システム全体の柔軟な運用にも貢献すると期待されています。

これを、NESOでは現在の英国のREGO市場に対する一つの進化形と位置づけています。(日本でも経産省委員会で中長期的な検討事項として整理されています)

NESOは、時間ごとにCFE(Carbon Free Energy:炭素排出のない電力)のマッチング割合を可視化することによって、消費者は再エネが不足する時間帯に需要側の柔軟な対応(DSR:Demand Side Response)を促進することが可能になるとしています。

特に、蓄電池など柔軟性資源が再エネ市場に参加しやすくなるというメリットもあります。従来の年間ベースのEAC市場では、蓄電池のような短時間で充放電が行われる設備は参加が難しかったのですが、24/7 CFE EAC市場では時間単位の価格シグナルを受けて、蓄電池が安い時間帯に電力を取り込み、高需要・高価格帯で売るといった活動が評価されるようになります。

これにより、蓄電池やDSRへの投資促進につながると考えられています。時間単位の取引を行える24/7 CFE EACの仕組みは、柔軟性の高い電力供給が可能な供給者に対してインセンティブを与えることができます。

しかしながら、このような24/7 CFE EACの取引がエネルギー市場の参加者やエネルギーセクター全体に実際にどのように影響するのかについての実務的な研究はほとんど行われてきませんでした。

ただし、多くのケーススタディは、当社(株式会社電力シェアリング)が日本で実施した分を含めて、Energytagサイトで掲載されています。

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こうした中、2024年4月にNESOはシステム運用への影響に関する理解を深めるため、再エネアワリーマッチングを基本コンセプトに、英国電力システムのモデリングを行い、24/7 CFEの取引が市場参加者やシステム運用にどのような影響を与えるかを分析しました。

なお、本研究は、Granular Energy社およびNord Pool社との協働で実施されています。

また、本研究で扱われている24/7 CFE EACsは1時間の粒度(60分ごと)を基準にしており、計測データが許す場合は15分や30分単位など、さらに細かい粒度でも対応可能であるとしています。

日本では、スマートメータにより発電・消費量が30分単位で計量されていることから、1時間ではなく、当社が実施したように30分単位での再エネ(ハーフ)アワリーマッチングを行うことも選択肢の1つとなると当社は考えます。

いずれにしても、英国公的機関が実施したこの研究は、英国と地理的条件が類似する我が国にとっても、大変参考になる事例と思います。そこで以下読み込んでいきたいと思います。

24/7 CFE EACsの波及効果と市場環境

近年、英国では再エネ・アワリーマッチングに対する関心が高まっており、既に一部の電力供給事業者が商業顧客向けに「時間ベースの再エネ供給」を提供しています。

また、企業の中にはGoogleやMicrosoftなど、2030年までに100%の時間ベースCFE調達を目標とする例も見られます。これらは、24/7 CFE EACsが実際の市場で採用されつつあることを示しています。

そのような中で、GHGプロトコル(温室効果ガス排出報告基準)のScope 2報告制度が、より詳細な時間ベースの報告を求める方向に改訂される議論が進められていて、これが24/7 CFE EACsの需要を加速させる可能性も指摘されています。

市場導入に向けた見通し

NESOは、現行のREGO制度(日本での非化石証書に相当)が任意に再エネ証書を使う形の枠組みであるのに対し、24/7 CFE EACsも任意制度として導入される可能性が高いと想定しています。

これにより、電力事業者が「時間ベース再エネ供給証明付きの電力」を提供できるようになり、消費者も選択肢としてこれを選べるようになります。

導入当初は、比較的柔軟性の高い大口消費者(例:工場・データセンターなど)が自ら証書を管理・取引する一方、一般消費者向けには供給事業者が代行して証書を管理する形も想定されています。

ただし、実際に制度として定着させるには、証書の発行・報告基盤、取引ルール、運用システムなどが整備される必要がありRegulator(英国ではOfgem)や政府関係機関の関与と設計支援が重要になると報告書は指摘しています。

研究のスコープ

NESOは、本研究を理論検討ではなく、実際の電力システム運用に即した定量的分析として位置づけており、そのために英国の電力市場および需給構造を反映したモデルを用いて評価を行っています。

本研究の対象は、24/7 CFEエネルギー属性証書(EAC)の取引が、電力システムの運用および市場行動に与える影響です。分析の主眼は、24/7 CFE EACそのものの制度設計ではなくそれが導入・取引された場合に、発電事業者、需要家、アグリゲーター、そしてシステムオペレーターにどのような行動変容をもたらすかに置かれています。

具体的には、以下の点が検討対象とされています。

  1. 発電ポートフォリオや運用方法にどのような変化が生じるか
  2. 需要側が時間帯別の電力価格やCFEシグナルにどの程度反応するか
  3. 蓄電池や需要側リソースなどの柔軟性資源の活用がどのように変化するか
  4. その結果として、電力システム全体の運用(需給バランス、出力抑制、価格形成)にどのような影響が生じるか

一方で、本研究は送電網の長期的な増強計画や、政策制度の詳細設計そのものを評価するものではないとしています。

メソドロジー

分析には、AFRYが開発した電力市場シミュレーションモデルであるBID3モデルが用いられています。このモデルは、発電設備、需要、燃料価格、系統制約などを考慮しながら、時間単位での電力需給と市場価格をシミュレーションすることが可能だということです。

本研究では、英国の電力システムを想定し、1時間単位での需給・価格形成を再現しています。24/7 CFE EACの取引は、この時間単位の需給結果に基づいて評価されたとのことです。

分析にあたっては、以下の2つのケースが比較されています。

  1. 従来の年間ベースのEACのみが存在するケース
  2. 時間単位で取引される24/7 CFE EACが導入されたケース

この比較を通じて、24/7 CFE EACの存在が市場参加者の行動やシステム運用にどのような差を生むのかを明らかにしています。

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出典:

需要家および発電事業者の行動仮定

本研究では、すべての市場参加者が完全に合理的に行動するという前提は置かれていません。その代わりに、24/7 CFE EACによる価格シグナルや価値付けが、段階的に行動変容を促すというより実態に即した現実的な仮定が採用されています。

需要家については、すべての需要が柔軟にシフトできるわけではないものの、一部の需要が時間帯に応じてシフト可能であると仮定されています。特に、大口需要家や蓄電池を保有する事業者が、24/7 CFE EACの価格差を意識して行動するケースが想定されています。

発電側については、発電設備の新設や廃止といった長期的投資判断までは扱わず、既存の発電ポートフォリオの運用方法がどのように変化するかに焦点を当てています。

制約条件

ただし、本研究は制約条件として、24/7 CFE EACは現時点では制度として確立しておらず、実際の市場参加者の行動は将来の制度設計や価格水準に大きく左右される可能性を挙げています。

そのため、本研究の結果は、24/7 CFE EACが導入された場合に考えられる方向性や傾向を示すものであり、将来を確定的に予測するものではないとされています。それでもなお、NESOは、本研究が制度検討や実証設計を進めるうえでの重要な基礎情報を提供するものであると位置づけています。

シナリオ設定および前提条件

本研究で用いられたシナリオ設定および分析に用いた主な前提条件についてですが、NESOは、24/7 CFE EACの導入がもたらす影響を把握するため、複数の比較可能なシナリオを設定し、それらの差分を分析する手法を採用しています。

①ベースラインシナリオ

ベースラインシナリオでは、従来型の年間ベースEACのみが存在する電力市場が想定されています。このシナリオでは、需要家は年間の再エネ消費量のみを考慮して調達を行い、時間帯ごとのCFE供給状況は意思決定に反映されません。このケースは、現在の英国におけるREGO制度を前提とした市場環境を反映するものです。日本での現在の非化石証書の運用条件とほぼ同一といってもよいでしょう。

②24/7 CFE EAC導入シナリオ

比較対象となるシナリオでは、時間単位で取引可能な24/7 CFE EACが導入されている市場が想定されています。このシナリオでは、需要家は各時間帯におけるCFE供給状況を把握し、それに応じて証書を調達することが可能になります。

これにより、需要家は再エネ供給が潤沢な時間帯に消費をシフトするインセンティブを持つ一方、供給側は時間帯別に価値の異なるCFEを提供する動機を持つことになります。

モデル

24時間稼働のCFE EACの影響をモデル化するため、独立したCFE市場を想定します。

独立したCFE市場は、24時間稼働CFEの価格、システムへの影響、および資産の収益性を評価するために設立されます。英国電力市場は、すべての炭素排出型発電資産を含む「ブラウン市場」と、すべてのCFE供給を含む「CFE市場」に、以下の要領で分割されます。

  1. 総供給量は、ブラウン市場の供給量とCFE市場の供給量の合計に等しい。
  2. 総需要量は、ブラウン市場の需要量とCFE市場の需要量の合計に等しい。
  3. 24/7 CFE EACの需要は、炭素排出ゼロ電力の総需要に相当する。

例えば、市場の10%が24/7 CFE EACに加入した場合、需要の10%がCFE市場に割り当てられる。

2024年および2030年には市場の60%が24/7 CFE EACに加入すると仮定し、さらに、5年ごとに5%ずつ減少し、2045年までに45%となります。市場がよりカーボンフリーになるにつれ、証明書を購入する顧客は減少すると予想されるという前提に立ちます。

CFE市場は余剰供給を無償でブラウン市場へ輸出可能とします。ただし、ブラウン市場からの供給輸入には100ポンド/MWhのペナルティが発生します。この価格水準で顧客がCFE市場からの撤退または低いマッチング率の受諾を選択する可能性があるとしています。

資産がどの市場に属するかについて仮定が可能です。ベースケースでは、CFE供給には原子力および全ての再生可能エネルギーが含まれ、結節点経由の輸入および炭素資産(主に天然ガス)は除外するものとします。

蓄電池の取り扱い

蓄電池には、24/7 CFE由来の電力と化石由来電力(ブラウンエネルギー)の双方を蓄えることが可能とします。ただし、放電時に24/7 CFEとして認められるためには、充電時に24/7 CFE電源から電力を受け取り、充電から放電まで連続してその状態を維持している必要があるとします。

このため、蓄電事業者は充電時に24/7 CFE属性証書を購入し、放電後には損失分を差し引いた証書を販売できることとします。

CFEとブラウン電力を併用する場合でも、蓄電池の物理的制約は常に満たす必要があります。

グリーンウォッシュを防ぐため、カーボンフリー電力の移動は、ゾーン間の実際の電力潮流と整合していなければならないこととします。

共通前提条件

すべてのシナリオに共通して、以下の点が前提とされています。

  1. 発電設備容量、送電制約、燃料価格などは固定
  2. 分析期間中に大規模な設備投資判断は発生しない
  3. 市場設計(卸電力市場、需給調整市場など)は現行制度を前提
  4. 24/7 CFE EACは追加的な任意市場として存在し、義務制度ではない

これらの前提から、本研究は制度導入そのものの影響ではなく、行動変化による運用上の差分に焦点を当てていると言えるでしょう。

EACの価格形成

24/7 CFE属性証書(EAC)は、供給不足時に柔軟性の価値を高め、需給が逼迫すると価格が急騰します。24/7 CFEの不足は、CFE発電量が24/7 CFE需要を下回る場合に発生し、この局面では証書を巡る競争が生じます。需要が供給を上回るほど、証書価格は上昇します。

反対に、需要が「非常に低い」場合、供給不足となる時間帯は少なく、多くの時間で価格はゼロとなります。

分析結果:市場およびシステム運用への影響

①卸電力市場価格への影響

分析の結果、24/7 CFE EACの導入は、卸電力市場の平均価格に大きな変化を与えるものではないことが示されました。一方で、時間帯別の価格差(ボラティリティ)には一定の変化が見られました

再エネ供給が豊富な時間帯では、需要シフトや蓄電池の充電行動が促進され、価格の下落圧力がやや緩和される傾向が確認されています。

なお、モデルでは電力価格と比較して、EAC価格は極めて価格弾性値が高くなる結果が出ています。ほとんどの時間帯で0と予想されるが、利用可能な供給が不足すると証明書価格は急上昇しました。一方で、別途実施した、取引パイロット実験では、0以外の価格が観測される時間が大幅に多く、約75%の時間帯で低水準ながら正の価格が確認されています。0価格時間帯の差異は、参加者が限定された取引パイロットにおける流動性の低さが影響した可能性があります。

また、電源種別に見ると、全ての風力発電事業者は、他の風力発電事業者と同様のEAC販売収入・単価を獲得し、太陽光発電事業者は他の太陽光発電事業者と同様の販売収入・単価を獲得しました。ただし、気象条件による地域ごとの微妙な差異は生じました。(当社が国内で実施した太陽光発電を需要場所に保有するいわゆるプロシューマの収入シミュレーションでも、やはり地域別(例えば関東と関西)に大きな差異はないという傾向が示されています。これに対して、原子力やその他のベースロード電源は平均的な単価を確保しました。一方で、フレキシビリティの高いバイオマス発電所の場合は、CFE供給量が低い時間帯の運転が促進され、平均以上の証明書単価を確保するための最適な稼働が可能となりました。

②需要側行動の変化

24/7 CFE EACが存在するシナリオでは、需要家が再エネ供給の多い時間帯に消費をタイムシフトさせる行動を取ることが確認されました。特に、柔軟性を持つ需要や蓄電池を保有する事業者が、この価格・価値シグナルに反応する傾向が見られます。

なお、当社が日本で環境省実証事業で行ったFSでも同様の傾向が示されています。

NESO報告書は、これにより、ピーク時間帯の需要が一部緩和され、システム全体の需給バランスが改善する効果が見られたという結論を出しています。

③再エネ発電出力調整への影響

再エネの出力調整については、24/7 CFE EAC導入によって限定的ながら削減効果が見られるという結果が得られました。これは、再エネ発電が多い時間帯に需要が誘導されることで、供給過剰が緩和されるためです。

ただし、その効果は系統制約や設備構成に強く依存するため、大幅な削減を保証するものではないとされています。

④フレキシビリティ・リソース(調整力)への影響

24/7 CFE EACの存在は、蓄電池などの調整力資源に対して新たな価値シグナルを提供することが示されたとしています。

特に、再エネ由来電力を充電し、それを高価値時間帯に放電する蓄電池は、時間単位のCFE価値を活用できる可能性があるとしています。

一方で、短期的には柔軟性資源の導入量そのものを大きく変える効果は限定的であり、長期的な投資判断への影響は本研究の対象外とされています。

この点について報告書では、バイオマス等の調整可能な発電所や蓄電池等の調整力にとってEACは新たな収入源として、投資インセンティブを向上させることが期待できるが、こうした収益の変動性および予測不可能な性質を考慮すると、将来の収益予測を困難と考えてしまうリスクがあり、その結果、投資判断においてこれらの潜在収益が除外されるか、大幅に割り引かれる可能性があるとしています。

さらに風力などの間欠的な電源を有する事業者にとっては、これらの証明書の価格予測がさらに困難であり、年間証書市場よりも確実性が低くなるとも指摘しています。

従って、EAC導入は夜間発電や調整力への投資へのインセンティブとなり得るものの、単独では投資のビジネスケースを成立させるほどではなく、この細分化されたEAC取引の導入の成功は、他の市場仕組みとどう連携して設計できるかにかかっていると結論付けています。

システムオペレーターへの示唆

NESOにとって重要な点として、本研究は24/7 CFE EACがシステム運用に重大な悪影響を与える可能性は低いと結論づけています

むしろ、需要の時間シフトや柔軟性活用が進むことで、需給調整の難易度が低下する可能性も示唆しています。ただし、証書取引と物理的電力フローは別物であるため、オペレーターとしては両者を明確に区別して管理する必要があると指摘しています。

考察および政策的示唆

最後に本報告書は、上記の分析結果を踏まえ、24/7 CFE EACが持つ意義と課題が整理されています。

24/7 CFE EACは、再エネの「量」ではなく「時間的質」に価値を与える仕組みであり、電力システムの実態に近い形で環境価値を可視化できる点が大きな特徴だとしています。

一方で、市場設計や報告制度、データ基盤が未整備なまま導入が進むと、誤解や過度な期待を生むリスクもあるとしています。

そのため、制度導入にあたっては、段階的な実証と透明性の確保が重要であると結論づけています。

最後に(当社の考察も含めて)

本研究により、公的運用機関が、24/7 CFE EACの取引が、電力システム運用に対して大きなリスクをもたらすものではなく、むしろ柔軟性活用を促す可能性があることを示したことは重要です。

一方で、このようなシミュレーションを当たって必要なシステムや技法はロケットサイエンスではなく、既に8000万軒以上のスマートメータが実装され、クラウド上に30分単位の発電・消費データが準リアルタイムで上がっていて、それを第三者でもアクセス可能というような状況を備えている我が国では、ある意味でエクセルベースでも実行が可能です。

ですので、技術実証のハードルは低いですし、他国の技術をそのまま移入する必要はなく、経済安全保障の確保とデータセキュリティを考慮すれば、優れた日本のシステムソリューションプロバイダーによる現状のシステムの補正で十分修正がきくこと、そのため費用対効果が高くなる可能性を強調しておきたいと思います。

次の記事に続きます。