「環境破壊懸念再エネ、日生が排除へ」報道に見るアワリーマッチングの役割
「環境破壊懸念再エネ、日生が排除へ」報道に見るアワリーマッチングの役割
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日本生命保険(敬称略)が、森林伐採など環境破壊の懸念がある再生可能エネルギー事業者を調達先から排除する方針を検討していると、日本経済新聞が2026年1月12日に報じました。
この動きは、「乱開発メガソーラー」が社会問題化するなかで、再生可能エネルギー発電が「量」の確保から、「質」を問われる時代へ局面がシフトすることを象徴していると思います。
それは、別の側面であれば、再エネ開発が、供給主導(プッシュ型)から需要主導(プル型)へ転換する兆しであり、そこで再エネアワリーマッチング手法の効果が発揮される兆しであるともいえるかもしれません。
量を追い求める再エネ施策の行き詰まり
これまでの国内外の再エネ政策は、FITに代表するように、需要家の購買意思とは無関係に、「再エネを発電すれば公的機関が一定の値段でいくらでも買い取る」という手法が主流でした。

しかし、この政策の下で、いくつかの弊害が出てきました。
一つは「いつでも、どこでも、いくらでも発電しただけ買い取る」というサプライサイド重視の施策で需給関係から最適な価格を発見するという市場機能が働きにくくなっていることです。
その結果、昼には再エネ供給が過度に超過し、出力停止を招き、系統が混雑し、火力は調整力の発動を迫られ、誰も得しない状況が発生する一方で、夜間には需要に見合うほど再エネが足りず価格が高騰するという状況を招いています。
二つ目の問題は、FITのように、再エネ電力をコモディティ商品と捉えて、質を問わず買い取るため、規模が大きく、立地コストが安く、社会負荷・環境負荷を顧みない「乱開発」再エネが生き延びてしまう一方で、地域主導での社会負荷・環境負荷が低い小規模な再エネがコスト競争で敗れ、「悪貨が良貨を駆逐する」状況を招いていることです。
これから、需要場所に近い分散型再エネの大量導入の局面を迎えつつあり、このような供給重視の政策は世界的に見直しを迫られています。
再エネアワリーマッチングは需要家の購買責任を可視化する
この文脈で、再エネアワリーマッチングの効能が浮かび上がります。
再エネアワリーマッチングとは、再エネ電力の需要と供給を時間帯で一致させる手法です。
そのまま日本語に訳せば、「電力需給の同時同量」となります。
「同時同量」は、電力ビジネスでは当たり前の概念で、目新しいものでは全くありません。
しかし、見過ごせない、大きな特徴があります。
それは、送電網全体あるいはバランシンググループ全体といったマクロでの供給量と需要量を合わせるのではなく、ある発電所とある需要場所の発電量・消費量をミクロで合わせるという発想への転換です。
その意味では、2018年ごろ国内外でブームとなった再エネ電力のP2P取引の変化形と捉えることもできます。
そして、再エネアワリーマッチングの効能として、
「再エネアワリーマッチングは需要家の購買責任を可視化する」
ことがあります。
今までのように、需要者にとっては、どんぶり勘定で、だれが作ったのかわからない再エネを消費する、というこででなく、その再エネの属性(いつ、どこで、だれが、どのように発電したか)を知ることが可能になります。
それは、「知ることができてしまう」とも言えます。
その結果、再エネ発電所の電気を買った側には、その再エネに対する責任を伴うようになります(アカウンタビリティとガバナンス)。
例えば、安いけれども、環境負荷・社会負荷の高い再エネ発電所の電気を買っていると、それを、例えば地元で反対運動をしている住民に見つけられて、指弾を受けかねないということです。
需要主導(デマンドプル)型への政策転換の兆し
今回の記事は、需要家側が再エネの質を選別するという、市場を通じたデマンドプル型の再エネ政策への転換が重要となるフェイズに移行する兆しの表れとも言えるでしょう。
そして、そこにアワリーマッチングの意義が示されてくるのだと考えます。
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