三菱重工、カタールで最新鋭ガスタービン4台を初受注:水素発電「アワリーマッチング」も視野
三菱重工、カタールで最新鋭ガスタービン4台を初受注:水素発電「アワリーマッチング」も視野
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三菱重工業(敬称略)は2026年1月14日、カタール国における大規模発電造水プロジェクト「ファシリティE(Facility E)」向けに、最新鋭の水素対応M701JAC形ガスタービン4台を受注したと発表しました。

本受注は、韓国サムスンC&Tとの協力のもと、カタールの送電容量の約20%に相当する240万kWの電力供給を担うもので、2028年の運転開始を目指します。
- 受注内容:M701JAC形ガスタービン 4台、三菱ジェネレーター製発電機、長期保守契約(LTSA)
- 供給能力:電力 240万kW、淡水化 1日あたり49.5万トン
- 稼働予定:2028年
本プロジェクトは、カタール国営石油会社や住友商事、四国電力、韓国南部発電などによる国際的な事業体「ラス・アブ・フォンタス パワー カンパニー」が遂行します。
三菱重工は、「高効率な発電設備の普及を通じて、中東地域におけるエネルギー脱炭素化と経済発展の双方を技術面から支える」との方針を示しています。
当社分析
「質の高いアナログ技術」での日本製造業の優位性
グローバリゼーションの中で製造業の中心が中国などの新興国に移る中で、高度なアナログ技術を必要とするガスタービン市場において、三菱重工は2023年以降、出力ベースで世界トップシェアを維持しています。
特に30万kW以上の大型機(J形)においてはシェア5割を超え、米GEベルノバや独シーメンス・エナジーといった競合に対し、高い信頼性と稼働実績で優位性を確保しています。
また新興国製造業との競争においては、製造工程における精密な「質の高いアナログ技術」が差別化要因となっています。
デジタル化による遠隔監視や保全の高度化は世界的な標準となりつつありますが、ガスタービンの心臓部である高温部品の冷却設計や材料工学など、模倣困難な熟練のエンジニアリング領域において日本企業の優位性が改めて証明された形です。
水素混焼による「アワリーマッチング率」の確保と再エネ連携
GHGプロトコルで議論されている再エネアワリーマッチングは、再エネの出力変動を補完する調整力の確保が課題となっています。
今回のJAC形ガスタービンは、水素混焼能力を備えている点が戦略的な要諦です。
将来的な水素燃焼社会への移行を見通せば、太陽光や風力などの不安定な再エネ電源と組み合わせ、24時間365日を通じて極めて高いアワリーマッチング率の確保が可能となります。
再エネの余剰電力で製造したグリーン水素を本機で利用する「合わせ技」は、カタールの国家ビジョン「National Vision 2030」が掲げる低炭素化と安定供給を両立させる、実効性の高いソリューションとして期待されています。
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