日韓首脳会談:経済安全保障を軸としたエネルギー・資源協力を協議

· 電力脱炭素

2026年1月13日、高市総理と韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領による日韓首脳会談が開催されました。両首脳は、地政学的リスクの高まりと中国による輸出管理強化を背景に、経済安全保障分野での連携を加速させることで一致しました。

資源・エネルギーに関する主な合意事項は以下の通りです。

1. 重要鉱物および半導体材料のサプライチェーン強靭化

両国は、特定国(特に中国)への過度な依存を脱却するため、重要鉱物の調達および半導体製造に不可欠な戦略物資の供給網を共同で強化することに合意。

共同調達と備蓄: レアアースやフッ化水素などの重要物資について、第三国からの共同調達や緊急時の相互融通を検討する枠組みを構築。

早期警戒システム(EWS)の運用: 特定のサプライチェーンにおける混乱の兆候を早期に検知し、情報を共有するためのメカニズムを日米韓の枠組みとも連動させて強化。

2. 次世代エネルギー技術における戦略的提携

カーボンニュートラル目標の達成とエネルギー安全保障の同時立案を目指し、クリーンエネルギー分野での実務的な協力が合意事項に盛り込む。

水素・アンモニア・サプライチェーンの構築: グローバルなクリーン水素・アンモニアの供給網構築に向け、両国企業による共同投資を政府が支援。特に、炭素強度の算定基準や認証、規格の標準化(デファクトスタンダード化)に向けた作業部会の議論を加速。

LNG(液化天然ガス)の融通: 国際的な需給逼迫時に備え、LNGのスワップ(融通)に関する協力を継続・強化し、アジア市場における買い手としての交渉力を高める方針を再確認。

3. 経済安全保障推進法に基づく技術協力

日本側の経済安全保障推進法の枠組みと、韓国側の産業政策を整合させる取り組み。

特定重要物資の保護: 半導体、蓄電池、重要鉱物などの特定重要物資について、製造装置や原材料の技術流出防止に向けたセキュリティ基準の共有。

科学技術連携:AI、量子技術、バイオ技術などの新興技術分野において、日韓共同のR&Dプログラムを推進。

会談の意味

今回の会合は、歴史問題を議題の中心とせず、エネルギー資源の確保という共通の死活的利益(ナショナル・インタレスト)を優先する「実利型外交」の性格を強く帯びています。

特に、トランプ政権下の米国による対外政策の不確実性や、中国の経済的威圧に対する防御策として、日韓の補完関係を再構築する狙いがあるといえます。

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高市総理のXでのポスト

韓国の李在明大統領と首脳会談を行いました。


両国を取り巻く戦略環境が厳しさを増す中、日韓関係、日韓米の連携の重要性はますます高まっています。

李大統領との間では、日韓両国が地域の安定に連携して役割を果たしていくべきとの点を確認しました。


また、日韓、日韓米の安全保障協力を含む戦略的な連携の重要性について議論することができました。

さらに、経済、経済安全保障の分野でも、戦略的で、互いに利益をもたらす協力を進めていくために、議論を深めていくことで一致しました。

会談に続いて、李在明大統領とドラムの演奏をしました。


昨年APECでお会いした際に、ドラムをたたくのが夢だとおっしゃっていたので、サプライズで準備しました。

先日のゴールデングローブ賞授賞式で最優秀主題歌賞を受賞した「Golden」とBTSの「Dynamite」にあわせて演奏しました。

李在明大統領からは長年の夢だったドラム演奏ができてうれしいとおっしゃっていただきました。

その後行われた夕食会では、大統領御夫妻及び韓国代表団の皆様に、奈良の食材をふんだんにつかった和食を堪能いただきました。

今後とも、日韓関係を未来志向で安定的に発展させていくために、「シャトル外交」の積極的実施を含め、日韓両政府間で緊密に意思疎通を続けてまいります。