送配電インフラ整備、全国で本格化 データセンターなどの需要増に対応
送配電インフラ整備、全国で本格化 データセンターなどの需要増に対応
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データセンターなどの需要増に対応するため、送配電インフラ整備が全国で本格化しています。
千葉県印西事業:データセンター需要に対応
このうち、東京電力パワーグリッドは、千葉県印西市・白井市周辺で、275キロボルト級送電線および変電所設備の系統強化工事を進めています。

経済産業省の資料等によれば、同地域ではデータセンターをはじめとする大規模需要の増加により、既存の基幹系統では将来的な供給余力やN-1信頼度の確保が課題となっていました。これを受け、印西変電所を中核とした送電線増設や変電設備の拡充が進められています。
具体的には、千葉印西線の増設(約10.5キロメートル)をはじめ、275キロボルト送電線の新設・増強、地中送電ケーブルの敷設、変電所構内での主変圧器やガス絶縁開閉装置(GIS)の更新などが計画されています。運転開始時期は区間ごとに異なり、早いものでは2025年、遅いものでは2027年前後とされています。これらは特定需要家向けの専用設備ではなく、一般送配電事業として位置付けられ、託送料金を通じた一般負担で整備される点が特徴です。
その他の東電管内事業
こうした動きは印西エリアに限りません。東京電力パワーグリッドは関東圏全体で、鹿島海浜線の接続変更(275キロボルト、2025年運転開始予定)や、東清水線の新設(275キロボルト、約18.8キロメートル、2027年運転開始予定)、北武蔵野線の増設(275キロボルト、約13.9キロメートル)など、複数の送電線整備を中長期計画として進めています。新宿線や東新宿線では老朽設備の引替工事も予定されており、都市部での安定供給を支える更新投資が続いています。
東北電力管内
また、東北地方でも大規模な系統整備が進行しています。
東北電力ネットワークは、電力広域機関に提出した供給計画などを通じて、北海道–本州間連系設備の強化や、東北–東京間を結ぶ500キロボルト級の新送電線建設を進めていることを明らかにしています。
北海道–本州連系設備は最大1,200メガワット規模への増強が計画され、2027年ごろの運用開始を目指しています。宮城県内では丸森幹線(500キロボルト、約79キロメートル)の新設工事が進み、さらに出羽幹線(500キロボルト、約96キロメートル)といった長距離送電線計画も控えています。
J-Power社
広域系統の観点では、J-POWERグループの送配電子会社も重要な役割を担っています。J-POWER Transmission Networkは、全国で約2,400キロメートルの送電線と複数の変電・変換所を運営しており、東西周波数の調整を担う佐久間周波数変換所の増強計画を進めています。
同施設では変換能力を300メガワットから600メガワットへ拡大する計画が示され、2027年度ごろの完了が見込まれています。
課題と展望
これら全国各地の系統強化工事に共通するのは、需要増加や再生可能エネルギーの接続拡大を背景に、基幹送電網と変電設備の容量確保が急務となっている点です。
一方で、工事は都市部や山間部、沿岸部など多様な環境で実施されるため、用地確保、道路占用、夜間施工、短時間停電を前提とした切替作業など、現場オペレーション上の調整が不可欠とされています。加えて、超高圧地中ケーブルや大型変圧器といった主要資材の調達、施工人員の確保、工期管理も共通の課題として挙げられています。
経産省は、こうした系統整備は一過性の対応ではなく、2030年代にかけて段階的に続く中長期的な取り組みと位置付けられています。印西を象徴例としつつ、全国各地で送電線・変電所の整備が同時並行で進む中、日本の電力インフラは次の需要構造に対応する局面に入っています。
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