中国、レアアース禁輸での対日強硬姿勢を軟化。日・米・インド等の閣僚会合の後

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中国商務省の報道官は2026年1月15日の記者会見において、日本に対する軍民両用(デュアルユース)品目の輸出規制に関連し、民生品への供給が影響を受けることはないとの見解を示しました。

会見の中で報道官は、規制の目的を「再軍備化や核保有の企てを阻止すること」にあると説明しました。また、中国は責任ある大国として輸出規制を運用しており、世界のサプライチェーンの安定維持に尽力していると強調しています。

これを受け、16日午前の東京株式市場では、前日まで上昇していたレアアース関連銘柄が利益確定売りにより反落するなどの動きが見られました。

米国での閣僚会合

この中国側の発言の直前に、米国ワシントンで、スコット・ベセント米財務長官が主導する重要鉱物の閣僚級会合が開催されました。

ベセント財務長官はX上で、この会合に出席のため訪米していた片山さつき財務大臣とのツーショットの写真をメッセージとともに大きく掲載するなど、中国からレアアース禁輸の対象に名指しされている日本との結束を、意図的に強調している様子がうかがえます。

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この会合には先進7カ国(G7)、オーストラリア、韓国、メキシコに加え、インドなどが参加しており、中国を念頭に、「特定の国」への過度な依存を脱却するための具体的な連携策が議論されています。

今回のアライアンスの特徴は、西側諸国のみならず、今まで西側から距離を置いていたBRICSの一角、インドが参加している点にあります。

会合で共有された主な論点は以下の通りです。

アライアンスの主な論点と特徴

参加国:G7、インド、オーストラリア、韓国、メキシコ、EU

主要な議題:供給網の多様化、特定国への依存低減、戦略的備蓄の共有

市場対策:中国産安価製品による市場独占を防ぐための「最低価格制度(フロア価格)」の導入

経済的規模:参加国合計で世界の重要鉱物需要の約60%を占める

この多国間会合では、中国による「市場価格の操作」や「供給の武器化」に対抗するため、域内での調達価格が一定以下に下がらないよう下支えする制度についても踏み込んだ議論が行われました。

一連の動きに対する論評として、市場や専門家の間では、中国側が日本に対してレアアースの輸出管理というカードを事実上切ったことが、結果として西側諸国やインドなどの結束を急速に促したとの指摘が出ています。

中国が今回「民生品に影響はない」とトーンを和らげた背景には、こうした、中国の措置に対抗して広範な包囲網が具体化され始めたことへの危機感の表れである可能性があります。