貧困対策としてのオンサイト再エネ~アジア新興国で拡大

· 電力脱炭素

インフレの慢性化よる電気料金の高騰は世界的な課題となっています。

それは新興国や途上国でも例外ではありません。

例えば、フィリピンでは、家庭の電気料金が月収の30~40%を占めるケースも珍しくなく、特に低所得層にとって電力は生活を圧迫する大きな要因となっています。

さらに台風や洪水といった自然災害による停電が頻発し、電力へのアクセスそのものが不安定な状況が続いています。

こうした中、むしろ標準世帯や低所得層でオンサイト型太陽光発電の普及が拡大しています。

Section image

例えば、2026年1月10日付のThe Manila Timesは、山村から都市部まで、フィリピン各地で太陽光発電の導入が進んでいる現状を報じました。

電力アクセスインフラが未整備の山間部だけでなく、マニラ首都圏でも、すでに電力網に接続されている家庭が、急騰する電気料金への対策として太陽光発電を導入していると報じています。

オンサイト再エネのデメリット

もちろん、系統電力には「スイッチを入れれば、いつでも安定的で質の高い電気が得られる」という大きな利点があります。

それに比べ、オンサイト再エネは設置や保守に手間がかかり、容量にも制約があり、電力の質や安定性で不便を伴う場合もあります。

しかし、日本も含めた世界の多くの地域で、人口減少や財政制約によりユニバーサルサービスの維持が難しくなりつつある時代において、「全国どこでも同じ価格で、しかもアフォーダブルな電力」を将来にわたって供給し続けることが可能なのかという点について考えてみる必要があるかもしれません。