中国の輸出規制強化:電力分野への影響は?

· 電力脱炭素

中国商務省は、日本向けの軍民両用品(デュアルユース品)輸出管理を強化し、軍事転用可能な品目の即時禁止に踏み切ると発表しました。背景には、2025年11月の高市首相による「台湾有事は日本の存立危機」との発言があり、日本政府は外交ルートで抗議したものの、中国側はこれを受け入れていません。

問題は、この措置が単なる外交摩擦にとどまらず、日本の電力業界やインフラシステム全体に“間接的な制度ショック”を与える可能性です。

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電力分野では、発電設備、変電所、系統制御装置、パワーエレクトロニクス部品、制御用半導体、通信モジュールなど、多くの機器が中国を含むグローバル・サプライチェーンに依存しています。

仮にデュアルユース指定の拡大や通関遅延、事実上の輸出制限が進めば、調達の不確実性上昇、価格転嫁、納期遅延が連鎖的に発生します。これはEVや半導体産業だけでなく、送配電網の更新投資、再エネ接続、蓄電池・系統安定化装置の導入にも波及しかねません。

こうしたサプライチェーンの脆弱化やコスト上昇は、電力会社のCAPEX抑制や工期遅延、長期的には系統強靱化・脱炭素投資の鈍化リスクを高めます。

経済安全保障の観点からは、レアアースや重要部材の調達多角化、国内製造能力の底上げ、同盟国との標準・調達連携を、電力システム分野でも本格的に進める必要があるといえるでしょう。