原油埋蔵量世界一のベネズエラ有事が塗り替える世界のパワーバランス。~日本でもエネルギー価格のボラティリティが高まる恐れ
原油埋蔵量世界一のベネズエラ有事が塗り替える世界のパワーバランス。~日本でもエネルギー価格のボラティリティが高まる恐れ
>>ニュースサイトTopへ >>会社HPへ
ベネズエラは、約3,000億バレルと世界最大の原油埋蔵量を有する資源大国だ。

これは第二位のサウジアラビア(約2,670億バレル)を大きく上回る規模であり、世界の石油需給に決定的影響を持つ可能性がある。
しかし、これまで、国営PDVSAの経営不全、制裁、設備老朽化により、「産油量は2020年代初頭に日量70万~80万バレル程度」まで低迷してきた。
しかし、今後、「政権転覆」を契機に、米国主導で制裁緩和や権益再編が進み、エクソンモービルやシェブロンなど米国石油資本が本格的にテコ入れを行えば状況は一変する。
米国はすでにシェール革命により日量約1,300万バレルと世界最大の産油国だ。
ここにベネズエラの増産余地が加われば、米国は「本土+事実上の影響圏」で圧倒的な石油支配力を持つことになる。
これは中東におけるイラン、ウクライナ戦争下のロシア、さらにエネルギー輸入大国であるインドや中国とのパワーバランスに直接影響する。
原油の供給主導権は、価格だけでなく外交・安全保障の交渉力そのものを左右する。
歴史を振り返れば、日本は1940年代にいわゆるABCD包囲網によってエネルギー供給を断たれ、戦争回避の選択肢を失っていった。
中国が現在おかれている立場も類似している。
中国にとってみれば、南シナ海のシーレーン、イラン・ロシア産原油の確保は死活問題となり得るからだ。
台湾有事リスクの分析には、この視座が欠かせない。
話は中国だけでない。「ベネズエラ有事」は単なる地域問題ではなく、世界の石油バランスと国際秩序を組み替える分岐点として注視されるべき局面にある。
一方、エネルギーを海外に依存する現在の日本にとっても無関係ではいられない。電力・エネルギー価格のボラティリティが高まる可能性がある。
電力システムの在り方を考えるうえで欠かせない要件となるだろう。
中国関連とみられるX(旧Twitter)アカウントが、「中国海軍は空母『福建』を含む任務部隊を台湾海峡に派遣した」と発信した。
直訳すれば「中国海軍は、空母福建を含む機動部隊を台湾海峡へ派遣した」という内容である。現時点で各国政府や公式ルートによる確認はなく、真偽は全く不明だ。

ただし、こうした投稿は軍事行動そのもの以上に、情報戦の一環として発信されている可能性がある。
台湾海峡を巡る緊張が続く中、未確認情報を流布することで市場心理や世論、外交判断に影響を与える狙いが考えられる。
事実関係の確認が困難な段階では、過度な反応を避けつつ、公式発表や複数ソースによる検証を待つ冷静な姿勢が求められる。
中国政府は、米国によるベネズエラへの軍事行動について「主権侵害であり国際法違反」と強く非難した。中国がここまで明確な表現で反発する背景には、単なる中南米情勢を超えた覇権構造の緊張がある。
トランプ政権はモンロー主義の原則を重視し、アメリカ大陸を自国の戦略的影響圏と位置づけ、域外大国の関与を抑止する姿勢を明確にしてきた。一方、中国は経済協力や資源外交を通じて中南米での存在感を高めており、ベネズエラはその象徴的拠点の一つである。今回の米国の行動は、中国にとって自国の影響力拡大が軍事力によって遮断され得ることを示す事例となった。
この構図は台湾問題とも重なる。中国にとって台湾は核心的利益であり、米国が同様の封じ込め戦略をアジアで強める場合、台湾海峡の緊張は一段と高まる可能性がある。台湾海峡が不安定化すれば、エネルギー輸送や国際物流に直接的な影響が及ぶ。
ベネズエラ情勢は地域紛争ではなく、米中間の戦略的競争がグローバルに連動していることを示している。今後の展開は、国際金融・エネルギー市場にも波及する可能性があり、冷静な分析と注視が求められる。
中国政府発表声明
中国は、米国が主権国家に対して公然と武力を行使し、その大統領に対して行動したことに深い衝撃を受け、強く非難する。
このような米国の覇権的行為は、国際法およびベネズエラの主権を重大に侵害するものであり、ラテンアメリカおよびカリブ地域の平和と安全を脅かす。
中国はこれに断固として反対する。
米国に対し、国際法および国連憲章の目的と原則を順守し、他国の主権と安全を侵害する行為を直ちに停止するよう求める。
中国政府関係者がベネズエラ入りし、マドゥロ大統領と協議を行った数時間後、米国が首都カラカスに対して大規模な空爆を実施した。トランプ大統領の声明が予告される中、事態は地政学的な緊張の高まりを示している。

この考え方は台湾問題とも通底している。台湾海峡の緊張が高まれば、海上輸送路の遮断を通じてエネルギーやサプライチェーンの安定性に直接影響を及ぼす。米中双方の動きは、地域紛争を超えた国際経済への含意を持ち、冷静な注視が求められる局面にある。
トランプ米大統領はベネズエラへの軍事作戦を実行し、ニコラス・マドゥロ大統領を拘束したと発表した。ホワイトハウスはこれを「国家安全保障目的」と位置付け、同国が西半球における敵対勢力の拠点化を進めていると強調している。対して、ベネズエラ政府は「米国の軍事侵略」と断定し非常事態を宣言した。中国・ロシアは強く反発しており、国連安保理が緊急招集される事態となった。(Reuters)

米国側の主要な論拠は、ベネズエラがイラン革命防衛隊やレバノンのヒズボラといった反米勢力と関係を深め、麻薬・武器の密輸やテロ資金源として機能している可能性にあるというものだ。これに関連して、米国は同国を「国際テロ組織」に指定し、海上では多数の油槽船の拿捕や空爆、陸上標的への攻撃を強化する「Operation Southern Spear」を展開してきた。(ウィキペディア)
背景には、ベネズエラの豊富な原油資源(世界最大級の埋蔵量)や地政学的価値がある。米国が軍事介入を正当化する際、自国への麻薬流入阻止と共に、中国・ロシアがベネズエラを足場に影響力を拡大している点を挙げている。これには中国の経済的支援やロシアの軍事協力が含まれ、中国は米国の攻撃を「国際法違反」と非難した。(The Washington Post)
ビジネス環境への影響は大きい。まず、石油市場は短期的な供給不確実性が増し、WTI原油価格は地政学リスクを反映して変動幅が拡大している。また、米国企業がベネズエラのエネルギーインフラ再建に関与する可能性が出てきた一方で、中国・ロシアとの対立激化はサプライチェーンと投資リスクを引き上げる。特にエネルギー、原材料、輸送・保険コストが構造的に上昇する恐れがある。
金融市場では、地政学リスクの高まりを背景にリスクオフの動きが強まり、資本コストの上昇と安全資産シフトが進む可能性が高い。企業はこれを受け、エネルギー供給源の多様化、リスクヘッジ策の強化、対外投資の再評価を急ぐ必要がある。
>>ニュースサイトTopへ >>会社HPへ