データセンターの建設費、東京が世界一。大阪は4位

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英国の建設コンサルティング大手、ターナー&タウンゼントが25年11月に発表したレポート(Data Centre Construction Cost Index)によれば、データセンターの建設コストは1ワットあたり15.2米ドルと、世界の主要市場の中で最も高く、東京は52か国中で、建設費用が世界第1位となりました。

第2位はシンガポールで14.5米ドル、第3位はチューリッヒの14.2米ドル、第4位は大阪の14.1米ドルとなっています。大阪は、今回初めてトップ10入りました。

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日本でのコスト高騰の構造的要因

なぜ、日本のデータセンター建設費はこれほどまでに高騰しているのでしょうか。レポートでは、主に4つの構造的要因が指摘されています。

第一に、熟練労働力の深刻な逼迫です。DC建設に不可欠な電気・空調設備の専門技能を持つ作業員が圧倒的に不足しており、この需給バランスの崩壊が労務単価を押し上げ続けています。

第二に、技術的要件の高さが挙げられます。地震大国である日本においては、免震や耐震技術に対する高度な投資が不可欠です。他国では不要なレベルの構造設計が、標準仕様としてコストを底上げしています。

第三に、サプライチェーンと為替レートの影響です。主要機材の多くを海外製品に依存しているため、継続的な円安が輸入コストに直撃しています。

そして第四に、生成AI需要の爆発的増加です。クラウド需要に加え、高い計算能力を必要とするAI向けDCの建設計画が相次ぎ、需要が供給能力を上回り続けていることが、価格交渉におけるコスト抑制を困難にしています。

T&TはCM方式への転換を推奨

このような不透明な市場環境下において、ターナー&タウンゼントは従来型の「一括発注方式(Design-Bid-Build)」の限界を指摘しています。

プロジェクトの完遂確度を高めるために推奨されているのが、CM方式(コンストラクション・マネジメント方式)です。

これは発注者のパートナーとして専門のマネジャー(CMr)を雇い、設計・施工の全プロセスにおいてコストやスケジュールの透明性を確保する手法です。発注者が実勢価格を正確に把握し、戦略的にマネジメントを行うことが、今の日本市場で利益を確保するための鍵となると指摘しています。