【第24回高速炉開発会議・戦略WG】高速炉実証炉・燃料技術を2026年中に評価 実施主体・立地の検討方針を5者共有

資源エネルギー庁は、2026年7月15日、第24回高速炉開発会議・戦略ワーキンググループを開催し、高速炉技術評価委員会で実証炉の燃料技術を具体的に検討し、結果を2026年中に同WGへ報告する案を示しました。経済産業省、文部科学省、日本原子力研究開発機構(JAEA)、三菱重工業、電気事業連合会の5者は、実証炉開発を推進する共同文書も公表しました。 (経済産業省)

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共同文書で5者が認識を共有したのは、「高速炉サイクルの研究開発の方向性」「規制の予見性向上」「実証炉・燃料製造施設の実施主体と立地場所の検討」「人材確保・育成」の4点です。今回、建設地や事業主体を決定したわけではなく、2028年度頃の基本設計・許認可フェーズへの移行判断に備え、未確定だった事業実施条件の検討を具体化する段階に入ります。(X (formerly Twitter))

酸化物燃料と金属燃料、年内に技術評価

実証炉は、電気出力60万kWe級、熱出力150万kWt、炉心出口ナトリウム温度550度のナトリウム冷却タンク型高速炉を想定しています。炉心燃料は酸化物燃料または金属燃料が候補で、原子炉停止系は独立2系統、主冷却系は中間熱交換器と二次系ループを各4系統、崩壊熱除去系は自然循環式5系統と強制循環式1系統とする参考仕様です。(経済産業省)

高速炉技術評価委員会は、東京大学の高田孝教授を委員長とし、燃料そのものだけでなく、燃料製造施設、再処理施設を含む高速炉サイクル全体を評価します。現在の開発工程では、MOX燃料サイクルと金属燃料サイクルについて、システム評価と技術的実現性の見通しを検討し、2028年度頃の移行判断に必要な概念設計へ反映する計画です。(経済産業省)

委員会は、JAEAが持つノウハウなどの情報管理を理由に原則非公開となりますが、燃料技術の検討結果は戦略WGを通じて公表されます。今回の会合で酸化物燃料か金属燃料かが正式に決定されたわけではなく、年内報告を受けて次の設計条件を詰めることになります。(経済産業省)

実施主体と立地場所は未決定、5者で検討へ

開発体制では、政府の高速炉開発会議と戦略WGがプロジェクト全体の司令塔を担い、三菱重工業が中核企業、JAEAの高速炉サイクルプロジェクト推進室が研究開発統合機能を担っています。電気事業者も将来のユーザーとして協力していますが、実証炉と燃料製造施設の実施主体を誰とし、どこに立地するかは決まっていません。(経済産業省)

このため、共同文書は既存の研究開発体制を確認するだけでなく、基本設計へ進む前に事業主体、立地、規制対応、人材を一体で検討する必要性を明確にしました。一方、建設費、資金負担、発電した電力の販売方法、支援制度、着工時期などの条件は今回の資料に示されておらず、正式な投資判断やプロジェクトファイナンスの前提は今後の課題です。(X (formerly Twitter))

燃料選択で機器調達、許認可、事業収支が変化

酸化物燃料と金属燃料では、炉心燃料、シビアアクシデント対策、燃料製造・再処理設備、照射試験の内容が異なります。燃料方式の評価結果は、三菱重工業やJAEAだけでなく、燃料加工、被覆管、ナトリウム機器、計測機器、再処理設備などを担うメーカーの研究開発計画、設備投資、人員配置に影響する可能性があります。(経済産業省)

EPC事業者や機器メーカーにとっては、2028年度頃の移行判断までに設計要求と規制上の前提がどこまで固まるかが、見積価格、長納期品の調達、品質保証体制を検討するうえで重要です。電気事業者や金融機関も、実施主体、立地、総事業費、国の支援、運転開始後の収入構造が示されるまでは、長期契約や本格的な資金調達条件を確定しにくい状況が続きます。(経済産業省)

高速炉実証炉は2040年代の運転開始を目標とし、2028年度頃に基本設計・許認可段階へ移るかを判断する工程です。今回確認されたのは、燃料技術を2026年中に評価する手続きと、5者が今後の主要課題を共有したことです。燃料方式、実施主体、立地場所、建設工程、総事業費は決定事項ではなく、引き続き検討されます。会合ページには議事要旨、議事録、動画、パブリックコメント日程は掲載されておらず、公開資料から個別委員の賛否や修正意見は確認できません。(経済産業省)

出典

第24回 高速炉開発会議 戦略ワーキンググループ

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