【第4回電力安定供給WG】長期脱炭素電源オークション、洋上風力上限案は最大70万円/kW・年 LNG還付8,000円は継続審議

資源エネルギー庁は、2026年7月14日、第4回電力安定供給ワーキンググループを開催し、長期脱炭素電源オークションの第4回募集に向けた制度見直し案を審議しました。検討結果案では、脱炭素電源の募集量を前回と同じ500万kW、LNG専焼火力を600万kWとし、洋上風力や蓄電池などに電源別の募集上限を設けます。ただし、資料は最終決定ではなく、7月17日からパブリックコメントに付されています。 (経済産業省)

洋上風力では、海洋再エネ整備法に基づく第2・第3ラウンドのゼロプレミアム案件について、バランシングコスト相当分のFIP交付金を放棄することを条件に、第4回以降のオークション参加を認める方向性を整理しました。対象となり得る6案件は、調整係数反映後の期待容量で合計約70万kWですが、募集上限案は50万kWです。次回以降の海洋再エネ整備法公募案件には、この特例を適用しない整理です。

洋上風力の上限価格は地域別、34万5,220~70万1,172円

洋上風力の上限価格は、約30円/kWh以下の案件への支援を優先する考え方を踏まえ、31.9円/kWh、年間8,760時間、設備利用率39.3%から11万円/kW・年を算出し、各エリアの調整係数で割り戻す方式が示されました。北海道54万5,569円、東北40万8,857円、東京47万7,137円、中部39万657円、北陸54万8,446円、関西40万3,179円、中国55万8,286円、四国34万5,220円、九州70万1,172円で、地域差が大きい設定です。 (電子政府の意見募集)

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地域別上限価格の設定は、建設費や金利の上昇で採算が悪化した案件に応札余地を与える一方、募集上限50万kWの下では価格競争による案件選別が強まる可能性があります。事業者は、調整係数、期待容量、廃棄費用、EPC価格を織り込み、金融機関と入札価格や投資回収の前提を再点検する必要があります。

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LNGは600万kW、固定還付8,000円は結論持ち越し

LNG専焼火力は、当初の3年間限定募集を改め、第4回以降も当面継続する方針です。2040年までに新設・リプレースで3,900万~5,500万kWを確保するため、2026年度から7年間、年550万~800万kW程度を募集する考え方を示し、第4回を600万kWとする方向を整理しました。第5回以降は、今回の応札状況や需要見通しを踏まえて募集量を判断します。

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焦点となったのが、他市場収益の還付方法です。現行は他市場収益の約9割を実績に基づいて還付しますが、長期LNG契約の余剰リスクを取りやすくするため、運転開始時に実績方式か固定方式を選べる仕組みを事務局が提案しました。過去データによる試算額8,753円/kW・年の約9割として、固定還付額を8,000円/kW・年とする案です。

委員からは固定方式そのものへの賛意が出た一方、8,000円という水準を判断する材料が不足し、多角的な検証が必要との意見が相次ぎました。このため、固定還付額は継続審議となりました。制度案では固定方式を最大20年間適用し、後半10年間で再選択を認めるほか、過去のLNG落札案件にも選択を広げますが、金額を含め未確定です。

金利上昇を反映、資本コストのベースは5.5%

応札価格に算入できる資本コストは、従来の5.0%を5.5%へ引き上げ、電源別には4.5~6.5%とする案です。当初は2025年平均金利1.41%を基に0.4ポイント上乗せする案でしたが、複数の委員がより直近の金利を使うよう求めたため、2025年度平均1.51%を採用し、上乗せ幅を0.5ポイントに修正しました。第5回以降も毎年の金利変動を反映する方向です。

蓄電池・揚水・LDESは、リチウムイオン蓄電池、非リチウムイオン蓄電池、揚水の新設・リプレース等とLDESの3区分に分け、それぞれ40万kWを上限とし、上限超過分は落札させない案です。脱炭素火力は50万kW、既設原子力の安全対策投資は150万kW、洋上風力は50万kWを上限とする整理です。

変動電源の最低設備利用率は、過去10年間の実績最低値を基準に、太陽光14.8%、陸上風力24.5%、洋上風力25.2%、流込式水力51.0%とする案です。また、ガスタービンメーカーの供給制約を踏まえ、LNG専焼火力の供給力提供開始期限を8年から11年へ延長し、環境影響評価済み案件は7年とします。LDESも4年から7年へ延長する方向です。これらは機器調達、EPC契約、系統接続、プロジェクトファイナンスの工程に直接関わります。

パブリックコメントは8月16日まで

資源エネルギー庁は、「第4回募集に向けて(案)」と「長期脱炭素電源オークションガイドライン(案)」への意見を、2026年7月17日から8月16日まで募集しています。洋上風力の地域別上限価格や募集枠、資本コストは検討結果案として示された段階で、LNGの固定還付額はなお結論が出ていません。応札を検討する発電・蓄電事業者や金融機関は、最終ガイドラインの確定前に、複数の還付水準や落札確率を織り込んだ事業収支を準備する必要があります。 (電子政府の意見募集)

出典

総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 電力安定供給ワーキンググループ(第4回)

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