国際エネルギー機関(IEA)は、2024年7月25日、世界全体の電力需要および電源構成に関する最新動向をまとめたレポートを発表しました。
最新の分析によると、世界全体の電力需要成長率は過去10年間の平均値(約3%)を上回る年間約3.6%以上のペースへ加速する見通しです。この需要増加の背景には、産業部門の電化進展、猛暑に伴う冷房需要の増加、電気自動車(EV)の普及、データセンターおよびAI(人工知能)関連インフラの急速な拡張が存在します。地域別では、中国やインドなどのアジア新興国が成長を牽引しており、世界全体の需要増分の過半を占めています。
再エネの急伸と石炭火力への根強い需要
太陽光発電および風力発電を中心とした再生可能エネルギーの発電容量は世界規模で大幅に増加しており、2025年から2026年にかけて全発電量に占める再エネの割合が石炭火力を追い抜く見込みです。一方で、全体の電力需要増分が極めて大きいことから、ベースロード電源および調整力としての石炭火力発電量も依然として高水準を維持しており、2026年には過去最高水準の発電量に達する見通しが示されています。
IEAは、エネルギー安全保障の確保と脱炭素目標の達成を両立させるためには、蓄電システムの拡充や送配電網への投資が不可欠であるとしている。急速な需要増加に伴い、再生可能エネルギーの導入拡大だけでなく、既存電源の運用や系統柔軟性の強化が世界的な課題となっています。