【中国蓄電池市場】Ember、収益源の多層化を分析 容量補償・電力取引・系統サービスを組み合わせ

エネルギーシンクタンクEmberは、中国の蓄電池市場が設備量の拡大段階から、電力システムの中で複数の価値を提供する段階へ移りつつあるとの分析を公表しました。急速な導入を持続可能な事業へ転換するには、単一の収益源ではなく、容量補償、電力取引、系統サービスなどを組み合わせる制度設計が必要だと指摘しています。

中国の蓄電池市場に関するEmberの分析
中国の蓄電池市場に関するEmberの分析

規模拡大から利用率向上へ

中国では再生可能エネルギーの大量導入に伴い、新エネルギー発電所への蓄電池併設や独立型蓄電所の建設が進みました。ただし、導入目標や接続条件を主因とする設備は、充放電回数や市場参加機会が限られ、資産利用率が低くなる場合があります。今後は容量だけでなく、需給調整や混雑緩和にどれだけ貢献したかを評価する仕組みが重要になります。

五つの収益機会を組み合わせ

Emberは、中国の蓄電池が地域ごとに異なる制度の下で、容量補償、ピーク・オフピーク価格差を利用した裁定取引、補助サービス、再エネ出力制御の回避、系統投資の代替など、複数の価値を生み出し得ると整理しています。収益源を重ねる「レベニュー・スタッキング」が可能になれば、特定の補助制度への依存を減らし、運用最適化を促す効果が期待できます。

市場改革と運用データが鍵

課題は、省ごとに市場ルールや価格シグナルが異なり、蓄電池が独立した市場参加者として十分に評価されない地域があることです。系統運用者が必要とする応答性能を明確化し、計量・精算制度を整備することが不可欠です。日本でも系統用蓄電池の開発が急増する中、容量市場、卸市場、需給調整市場を横断した収益設計と、実運用データに基づく制度改善が重要になります。

出典:Ember公式分析

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