米連邦準備制度理事会(FRB)および日本銀行は、2026年7月25日、それぞれの最新における通貨供給量統計(M2)を発表しました。
米国におけるM2(現金、要求払い預金、定期預金、MMFなど)の残高は、金融引き締め局面を経た後も高水準を維持しており、過去の推移と比較しても依然として高い伸び率を示しています。一方で、日本銀行が発表するマネーストック統計のM2(現金通貨、預金通貨、準通貨、CD)においても、着実な増加傾向が継続している状況です。主要国の中央銀行による金利引き下げや低金利政策の維持に伴い供給された通貨量が、市場実勢に比して滞留し続けている実態が定量的データから浮き彫りとなりました。
過剰流動性の滞留と中長期的な物価上昇リスク
主要経済国におけるマネーサプライの伸長ペースは、実際の国内総生産(GDP)成長率の伸びを大幅に上回る規模で推移しています。市場では、利下げ後の金融環境において流動性が速やかに回収されない場合、滞留した過剰資金が資産価格を下支えするだけでなく、一般消費財やサービス価格への転嫁を通じて物価高を長期化させる要因になりかねないと分析されています。
中央銀行のバランスシート拡大に由来する構造的な通貨供給増加は、中長期的なインフレ圧力を助長する可能性があるとしています。エネルギー価格や原材料コストの変動に加え、市場に溢れるマネーサプライ自体が物価安定の達成を難しくする懸念が示されており、今後の金融引き締め判断やバランスシート縮小に向けた動向が注視されます。