スターシーズ株式会社は2025年10月9日、愛知県田原市と豊橋市で開発中の系統用蓄電所2案件について、土地・設備および電力接続権を取得すると発表しました。取得先は株式会社野村屋ホールディングスで、スターシーズが進める系統用蓄電池事業の案件拡大の一環です。
田原市と豊橋市で各2MW級を計画
対象は「田原市保美蓄電所」と「豊橋市雲谷蓄電所」で、いずれも出力2MW級の系統用蓄電所です。蓄電池は電力系統から充電し、需給状況や市場価格に応じて放電することで、再エネ出力の変動吸収、需給調整、ピーク時の供給力確保などに寄与します。
案件取得には土地や設備だけでなく、一般送配電事業者との接続に関する権利・契約上の地位が含まれます。系統用蓄電池では、適地確保以上に連系可能容量や工事負担金、接続時期が事業価値を左右するため、接続権を含めた案件取得は開発期間短縮の意味を持ちます。両案件は2026年2月15日の運転開始を予定していました。
市場横断収益と運用能力が焦点
系統用蓄電池の採算は、卸電力市場の価格差を利用する裁定取引だけでなく、需給調整市場や容量市場など複数市場の収益を組み合わせる設計に左右されます。実際の運用では、蓄電池の劣化、充放電効率、接続制約、各市場の商品要件を踏まえ、どの時間帯に容量を配分するかを最適化する必要があります。
今回の取得は、上場企業が外部開発事業者から案件を取得してポートフォリオを拡大する動きの一例です。今後は設備調達、EPC、アグリゲーターの選定に加え、運転開始後の収益実績が評価材料になります。なお、記事分類上、系統用蓄電池は電力事業とは区別し、STのみを付与しています。
出典:スターシーズ株式会社「販売用不動産(系統用蓄電所の土地及び設備)並びに電力接続権の取得に関するお知らせ」