【新電力】4月電力取引報 域外大手の競争、東京が首位 新電力シェア22.2%、3年で6.2ポイント上昇

【新電力】4月電力取引報 域外大手の競争、東京が首位 新電力シェア22.2%、3年で6.2ポイント上昇

電力・ガス取引監視等委員会は、2026年7月17日、2026年4月分の電力取引実績を発表しました。全小売電気事業者の販売電力量は615億kWhで、前年同月を11億kWh下回りました。一方、域外みなし小売電気事業者と新電力の双方で市場競争の広がりが確認されました。

域外みなし小売電気事業者とは、電力自由化前の旧一般電気事業者が、従来の供給区域外で小売販売する場合の集計区分です。これに対し、委員会は新電力を「みなし小売電気事業者(旧一般電気事業者)以外の小売電気事業者」としています。前者は「地域大手による域外進出」、後者は「旧大手以外の事業者による参入」という違いがあります。

域外大手、東京で6.8%に上昇

4月の販売電力量に占める域外みなし小売電気事業者のシェアは、東京エリアが6.8%で最も高く、中国が6.7%、九州が6.3%で続きました。関連企業を除く地域大手の域外販売については2026年1月分から公表が始まっており、東京が首位となるのは開始後初めてです。

全国計の域外みなしシェアも4.6%で、前年同月から1.8ポイント上昇しました。東京、中国、九州で6%台に達したことは、従来の「地域大手対新電力」だけでなく、旧一般電気事業者同士がエリアを越えて需要家を獲得する競争が進んでいることを示します。

新電力、全10エリアで前年超え

新電力の全国シェアは販売電力量ベースで22.2%となり、前年同月から1.9ポイント上昇しました。販売額ベースは25.0%で2.8ポイント増、契約口数ベースは24.9%で1.7ポイント増でした。販売電力量シェアは全10エリアで前年同月を上回り、伸び幅は九州が3.3ポイント、沖縄が3.2ポイントと目立ちました。

3年前の2023年4月は、販売電力量ベース16.0%、販売額ベース18.1%、契約口数ベース22.4%でした。2026年4月までの3年間で、それぞれ6.2ポイント、6.9ポイント、2.5ポイント上昇しています。同期間の市場全体の販売電力量は596億kWhから615億kWhへ3.2%増にとどまるため、新電力の伸びは需要全体の拡大よりも、既存事業者からのシェア移転を強く反映したとみられます。

競争の軸、二層構造へ

2023年の資料では、みなし小売電気事業者の旧供給区域外での販売実績は各社の合計に含まれていましたが、域外分は独立表示されていませんでした。このため、域外みなし小売電気事業者のシェアを3年前と直接比較することはできません。

それでも、新電力の販売量シェアが3年間で大きく上昇し、域外大手の進出状況も可視化されたことで、小売市場は「新電力による参入」と「地域大手同士の越境競争」が併存する段階に入りました。今後は、家庭向けの契約口数だけでなく、高圧・特別高圧を含む販売電力量、価格競争、調達力の持続性を合わせて見る必要があります。

出典 電力・ガス取引監視等委員会「電力取引の状況(令和8年4月分)」

電力・ガス取引監視等委員会「電力取引の状況(令和5年4月分)」

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