世界銀行は、2026年7月1日、モロッコ北部で建設される「イファサ(Ifahsa)揚水発電プロジェクト」への2億6,500万ドルの融資を承認したと発表しました。
プロジェクトはモロッコ国営電力・水道公社(ONEE)が実施し、設備容量300MW、蓄電容量1,500MWhの揚水発電所を建設します。総事業費は約5億ドルで、世界銀行に加えアフリカ開発銀行(AfDB)が共同融資を行います。建設地は北部シェフシャウエン近郊で、400kV送電網へ接続される計画です。
再エネ1GWの導入拡大を支援
揚水発電所には150MW級の可逆式ポンプ水車2基を設置し、再生可能エネルギーの余剰電力で上部貯水池へ揚水し、需要が高い時間帯に発電します。これにより、少なくとも1GWの追加的な太陽光・風力発電の系統接続を可能にするとしています。
また、年間約3TWhの化石燃料由来電力を代替し、年間約170万トンのCO₂排出削減が見込まれるほか、約10億ドルの民間投資を呼び込む効果も期待されています。
系統安定化と雇用創出を推進
建設期間中は年間約820人の直接雇用が創出される見込みです。再生可能エネルギー比率の拡大に伴い、長時間エネルギー貯蔵設備への需要は世界的に高まっており、揚水発電は大規模蓄電インフラとして重要性を増しています。モロッコでも電力系統の柔軟性向上とエネルギー安全保障の強化を支える中核設備となることが期待されます。
出典:World Bank「World Bank Group and Morocco Partner to Unlock the Power of Next-Generation Hydropower」