国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)は、2026年7月8日、バイオものづくりで発生する固形有機性廃棄物と高濃度有機性廃水を一括処理し、メタンガスとしてエネルギー回収できる新型反応器「嫌気性バッフル連続撹拌一体型反応器(ABCS:Anaerobic Baffled Continuous Stirred)」の開発を発表しました。鹿児島工業高等専門学校との共同研究で開発された技術です。
新構造により100日超の安定運転と高効率化を実現
ABCS反応器は、内部を「撹拌部」と「流路部」の2区画に分ける構造を採用し、高分子有機物の分解からメタン生成までを段階的に進行させます。これにより固形物の蓄積や酸性化を抑制し、100日以上の連続運転でも安定した処理性能を維持しました。メタンガス生成速度は従来型反応器の1.62倍に向上し、固形有機性廃棄物と高濃度有機性廃水の一括処理を可能にしたとしています。
バイオものづくりの脱炭素化を後押し
バイオものづくりでは、植物バイオマスの糖化残渣や糖・有機酸を含む高濃度有機性廃水が発生します。従来は焼却や好気性処理が主流でしたが、エネルギー消費や設備規模が課題となっていました。今回の技術は、嫌気性微生物による有機物分解とメタン回収を同時に実現することで、廃水処理設備の省スペース化や運転効率向上、エネルギー自給率の改善が期待されます。研究成果は2026年6月29日に学術誌「Journal of Environmental Chemical Engineering」にオンライン掲載されました。