英国エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)は、2026年7月8日、EDFエナジー社およびセントリカ社との間で、サイズウェルB原子力発電所の運転期間を20年間延長し2055年まで継続稼働させる枠組みについて基本合意したと発表しました。
今回の合意では、従来の運転終了予定時期であった2035年4月から2055年3月までの20年間にわたり、差金決済契約(CfD)が適用されます。適用される行使価格(ストライクプライス)は2025年価格基準で1MWhあたり70.50ポンド(インフレ連動)に設定されました。出力約120万kW(1.2GW)を誇る加圧水型軽水炉(PWR)のサイズウェルBは、英国全体の電力需要の約3%(約250万世帯分)を供給する重要電源であり、市場価格のボラティリティから消費者と事業者を保護する長期的な投資回収基盤が構築されました。
設備改修への8億ポンド投資とエネルギー安全保障の強化
運転延長を実現するため、事業者側はプラントの安定運用に向けて8億ポンド(約1,600億円)規模の資本投資および設備点検・改修を実施します。今後15年間の計画停止期間を通じて、自動モニタリングシステムの導入や配管、バルブ、ポンプ類の交換作業が段階的に進められる計画です。
英国政府は、この20年間の運転延長によって現場で約900名の専門職雇用が維持される見込みであるとしています。既存の改良型ガス冷却炉(AGR)の退役が進む中、新設炉であるヒンクリー・ポイントCやサイズウェルCが本格稼働するまでの供給能力の空白を防止し、英国全体のエネルギー安全保障と脱炭素電源の安定供給に寄与することが期待されています。