仕様書001_基本構想Version1_260724

作成日:2026年7月24日

1. 目的

本ペーパーは、電力・脱炭素領域における一次情報ベースのニュース/解説/論評サイト構築というこれまでの構想と、その中核をなす経済産業省(資源エネルギー庁等)審議会・委員会情報の収集・分析プロセスを、一度整理して文書化するものである。将来の運用ルール・執筆プロセスの基礎資料として用いる。

2. 全体ミッション

電力・脱炭素領域において、ニュース記事の後追いではなく、企業・政府・国際機関などが発信する一次情報を基礎にファクトを整理し、それを土台として「ファクト」「解説」「論評」の3段階でNotionデータベースに蓄積する。これにより自らの知見を深めながら、同時に記事としてアウトプットし、ニュースとしての注目(ビュー・アテンション)を獲得することを目的とする。

3. 対象領域(スコープ)

コア領域

国内・海外双方の電力および脱炭素分野。特にGHG(Greenhouse Gas)プロトコルに基づくCO2排出量(電力由来)の算定方法論を当面の中心テーマとする。

周辺領域

電力需要と密接に関わるEV、データセンター、AI、および資源・中東情勢を隣接領域として範囲に含める。

4. 電力システムの構成要素

分析対象とする電力システムは以下の要素で構成される。

  • 既存電力システム:発電(原子力・火力)、送配電、系統運用、需給想定、電力料金
  • 再生可能エネルギー発電:太陽光、風力、バイオマス、地熱、廃棄物、水力
  • 蓄電池等ストレージ:系統用蓄電池、揚水発電を含む
  • 市場・取引:スポット市場、先物取引市場、需給調整市場、長期脱炭素電源オークション、容量市場
  • 環境価値:非化石証書市場など、CO2削減価値に関する取引

5. 分析の3つの視点

電力システムが直面する課題を、以下の3つの切り口から立体的に捉える。各切り口について「現状分析」「課題・ギャップ」「ソリューション」を整理する。

切り口
内容
制作・規制フレームワーク
政策・規制・制度改革の動向(経産省・資源エネルギー庁・オクト=OCCTO・電力・ガス取引監視等委員会などの公的機関による施策)
テクノロジー
発電・蓄電・系統運用等における技術動向
投資・マーケット
民間セクターのオペレーション、金融・ファイナンス、市場動向

経産省を含む公的機関は、主に「安定供給の確保」「経済性の確保」「再エネ導入拡大」という3つの課題に対応するための政策・制度改革を継続的に行っている。

6. 国内制度改革と海外GHGプロトコル改定の並走という論点

GHGプロトコルはScope1・2・3の各ガイダンスが改定されつつあり、特に時間単位でのマッチング(アワリーマッチング)が重要な論点となっている。欧米では、時間性を伴う再エネ価値の評価・取引や、電力システムへの時間性を伴う再エネ電力の統合を進めるためのツールが導入されようとしている。

一方、国内の電力システム改革はこうした海外のプロトコル見直しと必ずしも歩調を合わせておらず、両者がパラレルに進行することで市場・実務に混乱を招く可能性がある。この「国内制度改革」と「海外GHGプロトコル改定」を並行してウォッチし、両者の関係を整理・分析することが、本活動の独自の価値になると位置づける。

具体的な進め方として、海外のGHGプロトコル見直し(アワリーマッチングを含む)と、国内の電力システム改革(政策規制・技術・民間の3つの立場から)の双方を継続的に観測し、まずファクトとして記事化し、次にその意味を解説し、最後に自らの見解を論評として加える、という順序を取る。

7. コンテンツの3階層構造

階層
内容
分量目安
① ファクト記事
一次情報に基づく事実整理。写真を付す。
800〜1,000字程度
② 解説記事
蓄積した知見をもとに、ファクトが現状において持つ意味を解説
③ 論評記事
自らの分析・意見を加えた論評

これら3階層はNotionデータベースに集約し、記事ごとにタグを付与して管理する。1件のファクトから解説・論評へと段階的に発展させ、知見の蓄積と記事アウトプットを同時並行で行う。

8. カテゴリー・タグ管理体系

カテゴリー体系は「新定数表」シートを正本とする。旧バージョンで用いていたEL/RE/ST/MA/GH/DC-という抽象コードによる分類は廃止した。

8.1 カテゴリーの定義

「新定数表」シートのカテゴリーTier#が100(親番)の行が、それぞれ独立したカテゴリー(切り口)となる。カテゴリー名は太陽光発電、風力発電、送配電のように具体的な分野名そのものであり、抽象コードを介さず直接カテゴリーとして用いる。主なカテゴリーは以下の通り。

系統
カテゴリー例
政策規制系
政策規制、GHG政策規制、サステナ政策規制
電源・インフラ系
再エネ、太陽光発電、風力発電、水力発電、バイオマス発電、廃棄物発電、地熱発電、その他再エネ、原子力発電、火力発電、蓄電池、リソースアグリゲーション、送配電、電力小売
周辺領域
EV、自動車、データセンター、AI、資源、水素アンモニア
取引・環境価値
取引、GHGプロトコル、アワリーマッチング、CO2削減価値証書、MBM、LBM、AMI、Scope3、サステナビリティ
経済
経済

あわせて、PR(政策規制フラグ)=1の場合は関係する委員会略称および市場・制度名称(容量市場、FIT等)を、国家・都道府県は関連地域(EU域内は原則EU、日本はJapan)を、それぞれ付随プロパティとして記録する。

8.2 言語タグ

記事の言語はプロパティ「ENG」で管理する。日本語記事は空欄とし、何も記載しない。英語記事の場合にのみ「EN」を記載する。

8.3 カテゴリー全体の3区分

カテゴリー全体は、次の3つに大別される。

  • マクロ:電力・脱炭素の枠外に位置づけ、より動的な着想・アイディアを扱う記事群(マクロ、マクロ電力、マクロ企業、マクロキャリア等)。将来的には別データベースへ切り離す予定であり、現時点ではサイト上に表示しない。
  • 電力脱炭素(日本語):電力・脱炭素領域の日本語記事
  • 電力脱炭素(英語):電力・脱炭素領域の英語記事(ENGプロパティにEN指定)

記事ランクは8・6・4・空欄の4段階で、社会・市場への影響度、事業規模、希少性・新規性、政策・制度的重要性、実務的有用性・波及性の5項目から総合評価する。

9. 経済産業省委員会情報の収集・分析プロセス

経産省ウェブサイト(審議会・研究会ページ)を情報源として、電力関連の委員会・ワーキンググループ・小委員会の活動を継続的にウォッチし、記事化する。これは本活動の中核プロセスの一つであり、以下のフローで運用する。

9.1 情報源の構造

  • 委員会一覧ページ(例:経産省 審議会・研究会 新着情報)から、電力関連の委員会・WG・小委員会を特定する。
  • 各委員会のページには開催回(第◯回)ごとに、開催日、委員名簿、アジェンダ(議事次第)、当日の説明資料(PDF)が掲載される。
  • 多くの回はYouTubeでライブ配信されており、YouTube側で音声のテキスト化(発言録相当)を確認できる。ただし音声のテキスト化には公開までに時間差が生じる場合がある。
  • 一部の回では、後日、議事要旨・議事録が追加で公開される。
  • 既存資料として「METI委員会一覧」シートに、2025年以降の開催実績がある委員会・WG(約261名称、正式名称・略称・初回/最終開催日・開催回数・公式URLを含む)を整理済みであり、これを新規開催回の検知・照合に用いる。

9.2 処理フロー

  • ① 検知:ウォッチ対象委員会に新規開催回がないか定期的に確認する。
  • ② 一次情報の取得:議事次第・委員名簿・説明資料(PDF)・YouTubeスクリプト・(公開されていれば)議事要旨/議事録を取得する。
  • ③ タグ付け:内容を分野(発電・再エネ・蓄電池・取引・GHG・EV・データセンター等)、委員会名、政策規制対象市場・制度名等でタグ化する。1回の会合で複数分野にまたがる議論がなされることを前提とする。
  • ④ 記事化:タグ付けされた分野ごとに、ファクト記事(開催概要・議論内容)→解説記事(当該分野へのインプリケーション)→論評記事(見解)を作成する。1回の開催から複数分野・複数記事が生まれることを想定する(例:同じ回について「風力発電へのインプリケーション」と「蓄電池へのインプリケーション」を別記事として作成)。
  • ⑤ 反応の確認:当該議論に対する報道・世間の反応があれば、解説・論評記事に反映する。

9.3 分野横断的な閲覧性

タグ体系により、例えば太陽光発電に関心を持つ読者が、政策規制の切り口から特定の委員会・特定の開催回でどのような議論がなされたかを容易に追跡できるようにする。分野別のサブサイトを設けつつ、全分野を横断して閲覧できる構成とすることで、部分的な関心を持つ読者にも、全体を俯瞰したい読者にも対応する。

10. 派生的な読者接点

電力・脱炭素分野そのものへの関心に加え、以下の切り口からも読者の関心を喚起する。

  • キャリア:電力・脱炭素セクターへの就職・転職、能力開発に関する記事
  • 投資:株式投資等を目的とした、業界動向・企業動向の分析記事

11. 民間企業発ニュースとの違い

民間企業の発表に基づく記事は、発表内容を編纂する形で作成すればよい。これに対し、経産省委員会関連の記事は、議事録・資料・YouTubeスクリプト等の一次情報セットを毎回まとめ、どの市場(スポット市場、需給調整市場等)・どの分野(太陽光発電、風力発電、送配電等)・どのCO2削減価値の論点に関わるかをタグとして整理したうえで記事化する、という追加的な工程を要する点が異なる。

12. 将来展望

本活動を通じて知見を深め、記事としてアウトプットを継続することで、将来的にはアドバイザリー契約などの形で、電力・脱炭素分野に関心を持つ層の関心を惹きつけることを目指す。

13. まとめ

本活動は、(1)電力・脱炭素領域における一次情報ベースのファクト・解説・論評という3階層コンテンツ構造、(2)政策規制・技術・投資マーケットという3つの分析視点、(3)国内の電力システム改革と海外GHGプロトコル改定の並走という固有の問題意識、(4)経産省委員会情報を分野別にタグ付けし記事化する収集・分析プロセス、という4つの柱で構成される。これらをNotionデータベース上で一貫して管理し、分野別の深掘りと全体横断的な閲覧性を両立させるサイトを構築していく。