洋上風力の開発対象を排他的経済水域(EEZ)へ広げる再エネ海域利用法改正案は2025年6月3日、衆議院本会議で可決された。法案は同年4月11日に参議院で先に可決されており、6月11日に法律第59号として公布された。
領海外に長期設置を認める許可制度
従来の再エネ海域利用法は領海・内水を対象とし、国が促進区域を指定して選定事業者へ長期占用を認める仕組みだった。改正法はEEZに募集区域を設け、国が選定した事業者に発電設備の設置許可を与える制度を整備する。日本のEEZは広く、沿岸から遠い海域まで候補地を広げられるため、水深の深い場所に対応する浮体式洋上風力の案件形成を後押しする。衆議院では自民、立憲、維新、国民、公明、れいわ、共産、有志の会が賛成し、参政党と日本保守党が反対した。
国主導調査と海域利用調整が焦点
改正法はEEZでの設備設置制度に加え、政府が洋上風力の初期段階の環境調査を実施し、事業者へ情報を提供する仕組みも含む。重複調査の削減や案件形成の迅速化が期待される一方、漁業、海運、安全保障、海洋環境、海底ケーブルなど調整対象は領海内より広い。浮体式設備では係留範囲や保守港湾、施工・撤去時の責任も重要となる。区域設定、利用者との協議、環境影響評価、事業者選定を透明に進め、地域便益と海洋利用秩序を両立できる制度運用が求められる。