北海道檜山沖における洋上風力の法定協議会は2025年3月19日、対象海域を再エネ海域利用法上の「促進区域」に指定することに異存はないとの意見を取りまとめた。国による事業者公募へ進むための重要な合意となる。
約3.2万haを対象に地域共生策を整理
協議会は経済産業省資源エネルギー庁、国土交通省港湾局、北海道、沿岸自治体、漁業関係者、有識者などで構成される。今回の取りまとめでは、江差町、上ノ国町、せたな町、八雲町の沖合に広がる約3万2,160haを促進区域案とした。洋上風力設備の設置だけでなく、漁業との共存、航行安全、環境保全、地域振興を一体で扱う。発電事業者には、設備容量1kW当たり年250円を基準に30年間拠出する基金への協力を求める考えも示した。基金は漁業振興や地域産業の強化などに活用する想定だ。
指定後は公募占用指針の策定へ
協議会の合意は促進区域指定そのものではなく、国が法定手続きを進めるための前提となる。第三者委員会による基準適合性の確認、指定案の公告・縦覧、関係行政機関との協議を経て正式指定され、その後に公募占用指針の策定と事業者選定へ移る。地域側の条件を公募段階へ引き継げるかが焦点となる。特に、漁業影響調査を事業者選定前から継続し、結果を関係者間で共有する仕組みが重要だ。大型投資の誘致だけでなく、長期の発電事業を地域の雇用、港湾利用、漁業の持続性につなげる制度設計が問われる。公募後も協議会を継続し、合意事項の履行状況を確認する仕組みが欠かせない。