一般社団法人プラチナ構想ネットワークは、2026年6月8日、営農型太陽光発電社会実装推進コンソーシアムの活動の一環として、「望ましい営農型太陽光発電」の社会実装に向けた政策提言を公表しました。提言では、農地の価値向上や農業経営の強化、地域エネルギーの自給、食料安全保障とエネルギー安全保障の両立を目指し、制度設計に関する8項目の提案を取りまとめています。 (プラチナ構想ネットワーク)
「規制」と「推進」を両立する制度設計を提案
提言では、農林水産省の「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」で示された制度見直しの方向性を踏まえ、不適切案件の排除だけでなく、地域に貢献する営農型太陽光発電を積極的に後押しする制度への転換を求めています。
具体的には、「望ましい営農型太陽光発電」の基準を満たす案件について、一時転用許可や設備整備計画認定の予見可能性を高めることに加え、自治体施設で発電電力を優先利用する仕組みなどを提案しています。また、可動式架台、垂直型設備、透過型モジュール、ペロブスカイト太陽電池など新技術に対応するため、従来の遮光率だけでなく、日射量シミュレーションなどを活用した新たな評価指標の導入も求めています。 (プラチナ構想ネットワーク)
地域農業や農業経営を重視した制度へ
提言では、対象作物を画一的に限定せず、地域の栽培実績や販売ルート、収益性、農業所得への寄与などを総合的に評価する考え方を示しました。また、発電収益は単なる地代や協力金ではなく、農業機械や灌水設備、乾燥調製施設、冷蔵・冷凍設備、スマート農業機器などへの投資や、農業用電力の自家消費を通じて農業経営の強化につなげることが重要としています。
さらに、農業の電化・脱炭素化・エネルギー自給を制度目的として明確化し、電動農機やヒートポンプ、蓄電池などと組み合わせた営農型太陽光発電への重点支援も提案しています。 (プラチナ構想ネットワーク)
データ整備や移行期間の確保も提言
このほか、制度運用の高度化に向けて、国が作物別・地域別・設備形式別のデータベースを整備するとともに、大学や農業試験場、農研機構などによる実証研究を支援することを提案しています。また、新制度への移行に当たっては、市町村への支援体制を強化するとともに、既に事業化へ着手している案件の予見可能性を確保するため、農山漁村再生可能エネルギー法の省令改正から一時転用許可の要件化まで、最低2年以上の移行期間を設けるよう求めています。
同ネットワークは、営農型太陽光発電を、農業生産の維持・発展と地域の再生可能エネルギー利用を両立する政策手段と位置付け、不適切案件への対応と良質な案件の普及を両輪で進めることが、日本の農業と地域エネルギー政策の発展につながるとしています。 (プラチナ構想ネットワーク)