インド電力省は2026年1月21日、2047年の「発展したインド(Viksit Bharat @2047)」の実現に向けて電力セクターを転換するための「国家電力政策(NEP)2026案」を公表したと発表しました。同案は2005年に制定された現行の国家電力政策を置き換えるもので、パブリックコンサルテーションに付されています。
2005年の制定以降、インドの発電設備容量は民間参入の拡大とともに4倍に増加し、2021年3月には全国での電化を達成、2013年12月には全国統一グリッドが稼働するなど電力セクターは大きく進展しましたが、2024〜25年度の一人当たり電力消費量は1,460kWhにとどまり、配電事業者の累積損失や債務、コスト非反映的な料金、高い内部相互補助による産業用料金の上昇といった課題が残っているとしています。
消費量・脱炭素目標と電源構成の転換
NEP2026案は、一人当たり電力消費量を2030年までに2,000kWh、2047年までに4,000kWh超に引き上げる目標を掲げています。これは2005年比で排出原単位を2030年までに45%削減し、2070年までにネットゼロを達成するとのインドの気候公約とも整合させるものです。電源面では、市場メカニズムや自家発電設備を通じた再生可能エネルギー容量の拡大、蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)や揚水発電の需要側インセンティブ(VGF)による市場主導型の蓄電導入、再エネと従来電源のスケジューリング上の同等化を2030年までに実現する方針が盛り込まれました。原子力については、2025年制定のSHANTI法に基づき先進原子力技術の導入や小型モジュール炉(SMR)の開発を進め、2047年までに原子力発電容量100GWを目指すとしています。
送配電・市場改革とサイバーセキュリティの強化
送配電分野では、配電系統運用者(DSO)の設置によるネットワーク共有と分散型再エネ・蓄電・V2Gの統合、人口100万人超の都市における配電用変圧器のN-1冗長化(2032年までに)、単数桁のAT&C損失率達成などが盛り込まれています。送電分野では、新設される再エネ設備の送電料金を2030年までに従来電源と同等化するほか、投機的な連系枠保有を防ぐ利用実態に基づく連系枠配分の仕組みを導入するとしています。さらに、州送電事業体(STU)の機能分離や、州グリッドコードを中央電力規制委員会(CERC)のインド電力系統コードに整合させる方針も示されました。サイバーセキュリティに関しては、強固な体制の構築と電力セクターデータの国内保存の義務化を掲げ、データ主権とシステムの強靭性を確保するとしています。
出典:https://www.pib.gov.in/PressReleasePage.aspx?PRID=2216661®=3&lang=2