野村不動産は非上場の中核事業会社で、株式投資の対象は100%親会社の野村不動産ホールディングス(東証プライム・3231)です。投資判断では「プラウド」など住宅商品の競争力だけでなく、都市開発、資産運用、海外展開を含むグループ全体の資産回転と金利耐性を確認する必要があります。
最高益計画に対し、四半期の振れをどう読むか
2027年3月期第1四半期の連結売上高は1,910億円、事業利益は271億円、純利益は147億円でした。住宅の計上戸数や都市開発の物件売却が前年同期より少なく、四半期では減収減益ですが、会社は通期計画を据え置いています。通期は売上高1兆800億円、事業利益1,500億円、純利益860億円と過去最高を見込み、年間配当44円で15期連続増配を予想します。不動産会社は引き渡し・売却時期で利益が偏るため、単四半期より契約進捗、在庫、売却パイプラインを見るべきです。
資産回転と成長投資の両立
3カ年計画は2028年3月期の事業利益1,600億円を目標とし、賃貸住宅、ホテル、シニア住宅、物流施設へ重点投資します。開発・賃貸事業への外部投資家資金の導入、海外事業、M&Aを組み合わせ、重いバランスシートを抱えすぎずに事業量を増やす戦略です。ROA5%以上、ROE10%以上、総還元性向40~50%、DOE4%下限を掲げる点は、成長と還元の規律として重要です。
再エネ調達は物件価値にも直結
野村不動産とクリーンエナジーコネクトは、約550カ所のNon-FIT小型太陽光発電所を開発し、年間5,250万kWhを供給するオフサイトPPAを進めます。これはグループ購入電力の約40%に相当し、保有・運営物件の脱炭素価値を高める取り組みです。一方、2027年3月期第1四半期末の有利子負債は1兆6,965億円、自己資本比率は28.3%です。固定金利比率83.9%で短期的な耐性はありますが、金利上昇、建設費、人手不足、海外案件の採算、物件売却市況は主要リスクです。
※本稿は公開情報に基づく企業分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
出典:野村不動産ホールディングス 2027年3月期第1四半期決算説明資料、経営計画、野村不動産・CECのオフサイトPPA