【次世代地熱発電】Fervo、次世代地熱の掘削速度を143%向上 米国で500MW開発とデータセンター調達が進展

米Fervo Energyは、2026年7月8日、ユタ州の次世代地熱発電所「Cape Station」で、初期坑井と比べ掘削速度を143%向上させたと発表しました。新たな坑井は全長1万9,448フィート、水平区間7,500フィートで、地下温度460°F(約238℃)の地点まで21日間で掘削しました。 (Fervo Energy)

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Cape Stationは2026年中に送電を始め、2027年初めまでに約100MW、2028年には400MWを追加して合計500MWへ拡張する計画です。第1期には4億2,100万ドルのノンリコース型プロジェクトファイナンスが組成され、三菱UFJ銀行を含む金融機関が参加しました。Fervoは、掘削の標準化によって第2期の建設費を5,500ドル/kWまで下げる方針だとしています。(Fervo Energy)

地熱発電は従来型、EGS、クローズドループに分類

従来型地熱は、天然の蒸気や熱水を井戸から取り出し、蒸気タービンやバイナリー発電設備を動かします。

これに対し地熱増産システム(EGS)は、高温でも水や透水性が不足する岩盤に水を循環させ、既存の亀裂を活用・拡張して熱を回収します。Fervoはシェール開発で培われた水平掘削、光ファイバー計測、貯留層解析を応用しています。

クローズドループは、地下水を直接くみ上げず、密閉した配管内で作動流体を循環させる方式です。

カナダのEavorはドイツ・ゲレッツリートで、水平坑井を枝分かれさせる商用設備から2025年12月に初送電しました。完成時の計画規模は電力約8.2MW、地域熱供給64MWです。さらに375℃を超える熱源を利用する超高温・超臨界地熱も研究されていますが、耐熱材料や深部掘削が課題です。(Eavor)

Googleはデータセンター向けに115MWを確保

米国で次世代地熱を押し上げているのが、AIデータセンターによる24時間型電力需要です。GoogleとNV Energyの「Clean Transition Tariff」は2025年5月にネバダ州当局の承認を受け、Fervoが開発するEGS電源115MWを州内系統へ追加します。太陽光・風力だけでは供給しにくい夜間や無風時を補い、需要時間と低炭素発電を一致させる24/7カーボンフリー電力の確保を狙います。(blog.google)

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米エネルギー省も2026年2月、EGSや探査掘削などに1億7,150万ドルを支援すると発表しました。アリゾナ、コロラド、ニューメキシコ、ユタの4州はMountain West Geothermal Consortiumを設立し、電力調達、金融リスクの分担、地下データ整備を州横断で進めています。(The Department of Energy's Energy.gov)

日本でも安定型再エネとして開発余地

日本の地熱資源量は約2,300万kWとされる一方、掘削リスク、温泉地との調整、10年を超える開発期間が普及の壁です。NEDOは2026~2030年度に超臨界地熱などの技術開発を進め、2026年度予算として6.2億円を計上しました。(エネポータル)

次世代型でも掘削費、誘発地震、熱出力の長期維持を検証する必要があります。ただし米国では技術実証から長期PPA、金融機関による資金供給、大規模建設へ移行し始めました。データセンターや半導体工場など、24時間安定した脱炭素電力を必要とする需要家の存在が、地熱を研究開発段階から電力事業へ押し上げています。

出典

Fervo Energy「Cape Stationの掘削速度向上」

Google「ネバダ州の次世代地熱115MW」

米国エネルギー省「次世代地熱支援」

Mountain West Geothermal Consortium

Eavor「ゲレッツリートで初送電」

NEDO「地熱ポテンシャル高度利活用技術開発」

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