東京電力ホールディングスは、2026年1月に認定された第五次総合特別事業計画によれば、安定供給と福島への責任を維持しながら成長領域を広げるとしています。
投資家にとっては、首都圏の電力需要増を取り込む送配電事業、脱炭素電源、柏崎刈羽原子力発電所が企業価値回復の三つの柱になります。
北関東など太陽光導入で系統余力がある地域へ大口需要を誘導し、電力網と通信網を一体整備する「ワット・ビット連携」を進めます。
設備投資は年3,000~4,000億円規模で、再エネ接続、老朽設備更新、災害レジリエンスへの支出が続きます。
データセンターそのものへの投資だけでなく、用地、受電設備、通信、エネルギーマネジメントを含む周辺サービスが収益拡大の焦点です。
脱炭素電源では、水力の改修・増出力、洋上風力、地熱、太陽光PPA、系統用蓄電池、グリーン水素を拡大します。2040年度に顧客へ届ける電力の6割超を脱炭素電源で確保する目標です。火力・燃料は持分法適用会社JERAを通じ、LNG、再エネ、水素・アンモニアを組み合わせ、燃料調達と海外事業の収益機会を追います。
原子力では、安全を最優先に柏崎刈羽の再稼働と安定運営を進め、東通原子力発電所の建設再開や他社連携も検討します。
原子力の稼働は燃料費とCO2排出の低減に大きく寄与する一方、時期の不確実性と追加安全投資が最大のリスクです。福島第一の廃炉・賠償負担、資金調達、JERAの市況変動も残ります。成長投資を実行しつつ財務基盤を改善できるかが、株価評価を左右します。