日立製作所は、2026年7月28日、米Anthropicのセキュリティープログラム「Project Glasswing」を通じ、AIモデル「Claude Mythos Preview」を活用した重要インフラ向けソフトウェアの検証結果を発表しました。日立グループ内の100件以上のユースケースに適用し、潜在的な脆弱性の発見や検証作業の効率化を確認しました。 (日立製作所)
数百万行規模のソースコードを対象に、従来はセキュリティー専門家や開発者が数週間かけていた脅威モデルの作成を、Mythosによって短時間で実施できたといいます。脆弱性の再現手順や誤検知を確認するテストコードも自律的に生成し、検出精度の向上と開発者の負担軽減につなげました。
攻撃者より先に弱点を発見
Anthropicによると、Mythosは主要なOSやウェブブラウザーを含むソフトウェアから、従来の人手や自動検査をすり抜けていた多数の脆弱性を発見しています。Project Glasswingでは、電力、水道、医療、通信など重要インフラを担う企業にも参加対象を広げ、AIを防御側へ先行投入する取り組みを進めています。(Anthropic)
電力セクターでは、発電所や送配電設備の制御システム、監視装置、エネルギーマネジメントシステムなど、長期間運用されるソフトウェアが多く存在します。AIによって古いコードを広範囲に点検できれば、攻撃を受ける前に弱点を特定し、改修やアップデートを進めやすくなります。
電力各社にも先回りの検証必要
一方で、高性能AIは攻撃者にも利用され得るため、企業には検出後の内容確認、修正、更新までを迅速に行う体制が求められます。日立は今回の成果を社会インフラ向け製品の開発・運用に活用し、サイバー攻撃リスクの低減に取り組むとしています。
日立の事例は、電力会社や設備メーカーが既存システムをAIで事前点検する先行例となります。今後は新規設備だけでなく、稼働中の制御システムや旧型ソフトウェアについても、AIを用いた継続的な脆弱性診断が経済安全保障と安定供給を守る標準的な手法になりそうです。