米原子力規制委員会(NRC)は2026年4月2日、連邦官報において、エネルギー省(DOE)または国防総省(DOW)が過去に承認した実証炉の審査結果を商用炉の許認可審査に直接活用できるようにする規則案を公表しました。連邦規則集(10 CFR)第50条・第53条を改正するもので、意見募集期間は2026年5月4日までです。
対象となるのは、DOEまたはDOWの認可を受けて試験・実証済みの原子炉設計を参照する申請です。申請者は、過去の認可のどの要素がNRC規制要件を満たすかを示す必要があり、設計・機能・想定される危険性・立地条件等に変更がある場合はその点についてもNRC要件への適合を説明する必要があります。
NRCはこれに先立つ3月25日にも、先進炉向けの技術中立的な新許認可制度「Part 53」を策定しており、今回の規則案はこれと並行して進む一連の許認可改革の一環に位置づけられます。二次情報では、大型軽水炉のうちAP1000の新規案件が今回の枠組みの当面の主な対象になるとの見方が示されています。
トランプ大統領令14300を受けた措置
本規則案は、2025年5月23日にトランプ大統領が署名した大統領令14300「NRCの改革を命じる」第5条(d)項に基づくものです。同項は、DOEまたはDOWが安全に機能することを実証した原子炉設計について、NRCが迅速に承認できる経路を確立するよう求めており、NRCによる審査は、DOEまたはDOWの過程で既に対応済みのリスクを再検証するのではなく、新たな商用申請に伴うリスクにのみ焦点を当てるべきとしています。
規則案の位置づけ
改正後は、10 CFR第50.43条(e)項に新たに(3)号が追加され、第53.440条(a)(1)項にも同様の参照経路が明記されます。NRCは、この措置によりDOE・DOWが既に行った技術審査の重複実施を避けられ、申請者・NRC双方のコスト削減につながるとの定性的な分析を示しています。