【政策規制】ENTSO-E、イベリア半島大停電(2025年4月28日)の最終報告書を公表

欧州送電系統運用者ネットワーク(ENTSO-E)は2026年3月20日、2025年4月28日にスペイン・ポルトガル本土で発生した大規模停電に関する専門家パネルの最終報告書を公表したと発表しました。報告書は、送電系統運用者(TSO)・地域調整センター(RCC)・ACER・各国規制当局から選ばれた委員49名で構成される専門家パネルが作成し、被害を受けなかった2つのTSO出身の専門家が共同議長を務めました。

調査の結果、今回の停電は単一の原因ではなく、系統内の振動、電圧・無効電力制御の不備、各国間で異なる電圧調整方式の運用、スペインにおける急激な出力低下と発電機の系統解列、安定化能力のばらつきなど、複数の要因が重なって発生したと結論づけています。これらの要因が急激な電圧上昇と発電機の連鎖的な解列を招き、スペイン・ポルトガル本土の停電につながりました。今回の停電は、地域レベルでの事象がシステム全体に波及し得ることを示すものであり、ローカルと欧州全体の系統挙動・調整の連携を維持することの重要性を浮き彫りにしたとENTSO-Eは指摘しています。

再発防止に向けた提言

専門家パネルは、報告書で特定した各要因に対応する形で、運用慣行の強化、系統挙動の監視改善、電力システム関係者間の連携・データ共有の緊密化などの再発防止策を提言しています。あわせて、電力システムの変化に対応できるよう規制の枠組みを見直す必要性も指摘しました。市場メカニズムや規制の枠組み、エネルギー政策が、電力システムの物理的な制約と整合するよう維持することも求めています。

位置づけと今後

今回の最終報告書は、同パネルが2025年10月3日に公表した事実関係報告書を踏まえたものです。ENTSO-Eは、今回の停電を「前例のない事象」と位置づけ、提言される対策は既に技術的に導入可能なものだとしています。

出典:https://www.entsoe.eu/news/2026/03/20/entso-e-publishes-expert-panel-final-report-on-28-april-2025-blackout-in-spain-and-portugal/

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