中国電力は「Action Plan 2030」で、2026~2030年度に1.7兆円規模を投資する計画です。中心は島根原子力発電所3号機、LNGコンバインドサイクルの柳井新2号機、送配電設備です。2030年度に連結経常利益1,100億円、ROE8%以上、ROIC3%以上、自己資本比率20%以上を目指します。
島根2号機は2025年1月に営業運転を再開し、燃料費低減と脱炭素の両面で収益基盤を支えます。今後は大型電源の整備に加え、地域別の需要や太陽光、EV、蓄電池など分散型電源の普及を踏まえた設備形成、ダイナミックレーティングや系統混雑管理を進めます。自社電源と燃料・電力の現物・先物市場を組み合わせるトレーディング、再エネPPA、域内への大規模需要誘致も成長策です。
投資判断では、原子力の安定稼働による競争力と、電源・小売・市場取引・系統を一体で最適化できる点が評価材料です。一方、5年間の投資に伴い有利子負債残高は0.4兆円純増する想定です。島根3号機と柳井新2号機の工期・建設費、燃料・卸市場価格、金利、送配電投資の回収制度に加え、過去の不適切事案を踏まえた信頼回復と内部統制の実効性が企業価値を左右します。