【ブルーリーフ・エナジー/北海道芦別太陽光】5万kW、土砂災害区域が論点~2026年度第3回 環境審査顧問会 太陽電池部会

経済産業省は、2026年7月29日、ブルーリーフ・エナジー・ジャパンが計画する「(仮称)北海道芦別太陽光発電事業」の環境影響評価方法書を審査しました。方法書は、今後実施する環境調査、予測、評価の項目や手法を定める段階であり、発電所の建設を最終承認する手続ではありません。

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計画地は北海道芦別市の約114.4haで、このうち約70.9haに太陽光パネル約15万4,000枚を設置します。発電出力は交流5万kW程度、パネル容量は直流最大10万kWp程度です。対象区域と周辺には自然度の高い植生、保安林、クマタカやオオジシギなどの希少鳥類の生息情報があり、住宅、水道水源の集水域、土砂災害特別警戒区域も存在します。

住宅との最短距離4m、窒素酸化物を再検討

北海道知事は、建設機械の稼働に伴う窒素酸化物を環境影響評価の対象外とした事業者の判断について、科学的根拠が不十分だと指摘しました。事業者は、造成・基礎工事が着工後8カ月間に限られ、工事場所も移動することなどを理由に挙げています。

しかし、計画区域と住宅の最短離隔距離は4mとされ、知事意見は建設機械の種類や台数を踏まえて評価項目への追加を再検討するよう要求しました。粉じん、騒音、振動についても、住宅から可能な限り距離を確保し、必要に応じて調査地点を追加することを求めています。

4mという距離を踏まえれば詳細な検証は不可欠です。一方、工事影響は機械の配置、稼働時間、地形、遮蔽物によって大きく変わります。単に評価項目を増やすだけではなく、実際の施工計画に即して影響を定量化し、必要な離隔距離や稼働制限を具体的に示せるかが重要です。

水道水源、土砂災害、反射光を幅広く指摘

対象区域には芦別市の水道水源の集水域が含まれます。知事意見は市と協議し、水質への影響を回避する措置を講じるよう求めました。土砂災害特別警戒区域などと重なる場所では、豪雨や斜面崩壊により設備や土砂、濁水が流出する可能性を調査する必要があります。

住宅や道路への反射光については、パネルの離隔、樹木の残置、遮蔽物の設置に加え、フォトモンタージュを用いた住民説明を求めました。周辺に既設の太陽光発電所が複数あるため、騒音、反射光、景観を個別事業だけでなく累積的に評価するよう指摘しています。

もっとも、他事業者の設備仕様や運転情報を民間事業者が十分に取得できるとは限りません。累積評価を要求する場合、行政側も既設案件の位置、規模、環境データを共有し、実行可能な調査条件を整えることが求められます。

希少鳥類と自然度9の植生、縮小の可能性も

動植物では、クマタカやオオジシギの繁殖・生息状況を適切な季節と時間帯に調査するほか、植生自然度9のヤナギ高木群落を改変区域から除外するよう求めました。星槎大学の旧頼城小学校校舎や緑泉公園からの景観についても、晴天時などパネルが最も目立つ条件で予測する必要があります。

知事意見は、重大な環境影響を回避・低減できない場合、または科学的根拠を示せない場合には、事業規模の縮小を含めて計画を見直すよう求めています。ただし、今回の部会資料の段階で縮小や配置変更が決定されたわけではありません。

今後の調査結果によっては、パネル配置、造成区域、工事用道路、排水設備が変更され、発電量やEPC費用、工期、事業収支に影響する可能性があります。事業者には、環境調査を許認可対応だけでなく、設計条件と投資判断を固める工程として早期に反映することが求められます。

出典

2026年度第3回 環境審査顧問会 太陽電池部会

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