スウェーデン政府は2025年12月23日、国有電力会社バッテンフォールの子会社ビデベリ・クラフト(Videberg Kraft AB)から、新設原子力発電への国家補助を求める申請を受理したと発表しました。同国で新設原子力向けの国家補助制度が創設されて以降、初めての申請となります。
ビデベリ・クラフトは、西海岸のヴェーレー半島(リングハルス原子力発電所敷地内)で新規原子炉を建設する計画で、総出力は約150万kWを見込んでいます。炉型についてはGEベルノバ日立製BWRX-300を5基、またはロールス・ロイスSMR製を3基とする方向で評価が続けられており、最終選定は2026年中に行われる予定です。同社にはバッテンフォールに加え、産業各社で構成するコンソーシアム「インダストリクラフト」9社が20%出資する契約を締結済みで、2026年1月の取引完了を目指しています。
国家補助制度の枠組み
スウェーデンでは「新設原子力投資への国家補助に関する法律」が2025年8月1日に施行され、政府融資や運転開始後の双方向差額決済契約(CfD)を通じた財政支援制度が整備されました。制度の対象規模は合計最大約500万kW(大型炉4基相当)に限定されています。
今後の手続き
今回の申請を受け、財務省内の専門窓口が申請内容を精査するとともに、支援の条件や規模について政府とビデベリ・クラフトの間で交渉を進めます。その後、欧州委員会競争総局との協議を経て、EUの国家補助規則への適合性に関する正式審査に進む予定です。財務市場担当のニクラス・ヴィークマン大臣は、産業界からの申請受理により新設原子力への機運の高まりが確認されたと述べています。