スイス上院(全州院)の環境・国土整備・エネルギー委員会(UREK-S)は2026年1月20日、原子力発電所の新設を可能にする現行禁止規定の解除を盛り込んだ、国民発議「ブラックアウト阻止」への間接対案を10対2(棄権1)の賛成多数で可決したと発表しました。委員会はこれにより、原子力発電所の新設に関する枠組み許可の禁止を解除することを提案しています。
委員会は、電力利用が大幅に増加していることを踏まえ、将来数十年にわたり国内で十分な発電能力を確保し輸入依存度を低減するには、技術中立的な供給安定計画が不可欠だとしています。必要に応じて新規原子力発電所も選択肢に含めた、安全で持続可能な電力供給の実現を目指すとしています。
財源規定は設けず、国と州の権限分担も見直さず
間接対案は原子力発電所新設の法的可能性を開くのみで、財源については規定しないとしており、連邦による補助を明示的に排除すべきとする少数意見は退けました。また連邦と州の権限分担について新たな規定は不要とする連邦参事会の見解にも同調しています。これを踏まえ、委員会は国民発議そのものについては8対5で否決を勧告しています。
再エネ拡大への影響を懸念する少数意見も
一方、少数意見は間接対案について、再生可能エネルギーの拡大を妨げ既存のエネルギー政策目標を損なう恐れがあるとして、審議入り自体に反対しました。新規原子力発電所は建設リスクやコストが高く、計画・建設期間が長いためネットゼロ目標への貢献には間に合わないとの懸念も示されています。委員会は1月19日と20日、ビュルカート委員長のもとベルンで審議し、一部にはロースティ連邦参事会員とボーメシュナイダー連邦参事会員も同席しました。
出典:https://www.parlament.ch/press-releases/Pages/mm-urek-s-2026-01-20.aspx?lang=1031