大阪ガスと100%子会社のKRIは、2024年10月21日、EV蓄電池の劣化診断と寿命予測モデルの実証を開始したと発表しました。Daigasグループが利用するEV社用車から走行・充放電データを取得し、2025年度をめどにグループ内での実用化を目指します。
EVの蓄電池は外気温、充放電の方法や頻度、運転パターンによって劣化状態が変わります。車両ごとの残存寿命や内部状態を把握できなければ、長期利用や中古車価格の評価、リース期間の設定が難しくなるため、診断精度の向上が事業化の前提になります。
実車データでモデル精度を検証
KRIが受託研究で蓄積してきた蓄電池の分析・評価技術を基に、EV社用車から得たデータを解析します。実証では劣化診断モデルの詳細設計を進め、個々の電池の状態に対して残存寿命をどこまで正確に予測できるかを確かめます。
実用化後は、劣化状況の見える化に加え、適切な運用状態でない場合の改善助言も想定します。電池への負荷を抑えた使い方を提示できれば、車両のライフサイクル延長や保有コストの平準化につながります。
中古EVと定置用蓄電池への展開も視野
大阪ガスは社内実用化の後、対外サービスへ展開する方針です。リース事業者によるEVの取り扱いや中古EV市場では、電池の健全性を客観的に示す情報が車両価値の査定や再販を支える要素になります。
さらに、使用済み車載電池を活用する系統用蓄電池など、定置用分野への応用も検討します。投資判断では、診断モデルの精度、対象車種の拡大、社外サービスの料金体系に加え、リユース電池の安全性評価へ接続できるかが注目されます。