西松建設は2024年7月31日、同社施工の物流施設に設置した太陽光発電設備の余剰電力を、自社が所有・運営する学生寮4施設へ供給する「余剰電力活用型オンサイトPPA」の運用を開始したと発表しました。物流施設で使い切れない再エネ電力を別の需要地点で活用します。
学生寮の使用電力約20%を再エネ化
供給先は日吉国際学生寮、湘南藤沢未来創造塾学生寮(Hヴィレッジ)、高輪国際学生寮、NCRe玉川学園です。物流施設単体では発電量の約50%しか消費できないことが課題でしたが、余剰分を4施設へ回すことで発電電力を100%有効活用します。学生寮の使用電力量の約20%、年間約22万kWhを賄い、年間約94トンのCO2削減を見込みます。
自社施設間で環境価値を還元
削減対象には、共用部のScope2に加え、一部施設の専有部に相当するScope3も含まれます。発電設備の設置先だけでは需要が小さい物流施設でも、複数拠点の需要を束ねれば屋根の発電能力を無駄なく使えます。西松建設は2030年度までにScope1・2を2020年度比54.8%削減する目標を掲げており、今回の仕組みを再エネ比率向上に生かします。自らPPAサービス事業者となり、発電、供給、環境価値の帰属を一体管理する点も特徴です。オンサイトPPAと他地点供給を組み合わせる手法は、保有施設が分散する企業の自家消費拡大策として注目されます。発電量と各寮の需要を継続的に把握し、余剰を減らす運用が効果を左右します。